機関誌「冷凍と空調」 / 2007.8 (NO.555)

資料紹介

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京都議定書目標達成計画を見直し
―環境省・経済産業省の審議会が中間報告案―

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 環境省の中央環境審議会地球環境部会と経済産業省の産業構造審議会環境部会地球環境小委員会は,「京都議定書目標達成計画の評価・見直しに関する中間報告(案)」をまとめました。それによると,学校・病院や家電量販店などにも自主行動計画の策定を求めるほか,これまで規制のなかった2000m2未満の中小規模の新築や既存の住宅・建築物に関しても法規制の検討が必要だとしています。ここでは見直し案の概要を紹介します。
(編集係)

1.概況


 2005年2月に発効した京都議定書により,日本は温室効果ガスの排出量を第1約束期間(2008〜2012年度)に基準年度の排出量から6%削減することになっている。この約束を達成するために必要な措置を定めるものとして,「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づき,2005年4月,「京都議定書目標達成計画」が閣議決定された。
 京都議定書目標達成計画の対策・施策は,第1約束期間の前年度である2007年度にその進捗状況・排出状況等を総合的に評価し,第1約束期間において必要な対策・施策を2008年度から講ずるとされている。このため,環境省の中央環境審議会と経済産業省の産業構造審議会は2006年11月より合同会議を開催し,京都議定書目標達成計画の評価・見直しに関する審議を行ってきた。
 各部門の対策・施策の進捗の評価の検討,有識者・関係省庁・関係団体からのヒアリング,部門ごとの対策・施策の評価・見直しの検討等の審議を経て8月10日,京都議定書目標達成計画の評価・見直しの基本的な方向性についての中間報告の取りまとめが行われた。

2.京都議定書目標達成計画の評価
(1) 2005年の温室効果ガスの排出量状況
   2005年度の日本の温室効果ガスの総排出量は13.6億t-CO2で,基準年度比で7.8%の増加であった。この10年間をみると,基準年比で約3〜8%増の水準で推移している。
 これを産業部門別にみると,産業部門は4.6億t-CO2で基準年度比では5.5%の減少であったが,民生部門では家庭部門が1.7億t-CO2で36.7%増,業務その他部門が2.4億t-CO2で44.6%増とそれぞれ大幅に増加している。また,エネルギー転換部門では0.8億t-CO2で15.7%増,運輸部門では2.6億t-CO2で18.1%増となっている。
 また,ガスの種類別でみると,エネルギー起源二酸化炭素が12.0億t-CO2で13.6%増,非エネルギー起源二酸化炭素が0.9億t-CO2で6.6%増と総排出量の9割以上を占める二酸化炭素が増加しているのに対し,メタンは0.2億t-CO2の27.9%減,一酸化二窒素が0.3億t-CO2の22.0%減,代替フロン等3ガスは0.2億t-CO2の66.9%減とそれぞれ大幅に減少している。
 
(2) これまでの対策の評価
   5月29日に政府の地球温暖化対策推進本部は「京都議定書目標達成計画の進捗状況」を取りまとめた。この中で,京都議定書目標達成計画に示されている対策・施策には2005年度からさらに進展・具体化されているものもあり,日本の地球温暖化対策は前進しているとしている。しかし総合的には対策が十分に進展しているとはいえない状況にあるとし,目標達成計画策定時における各対策の排出削減見込み量を達成するためには,過去を上回る進捗が必要な対策が多く見られ,対策の進捗はきわめて厳しい状況にあるとしている。
 また,経済成長率見通しの上方修正など排出量の増加につながる要因も見られ,抜本的な対応を早急に検討する必要があるとしている。
 
(3) 2010年における温室効果ガスの排出量の見通しと不足削減量
   温室効果ガスの排出量は,社会経済活動量(主な指標:総人口,総世帯数,原油価格,実質GDP成長率,粗鋼生産量,鉱工業生産指数,業務サービス生産額,旅客輸送量,貨物輸送量等)の影響を受けるとし,中間報告案では現時点で入手可能な最新の社会経済活動量の予測値を前提に,これまでの対策の評価を踏まえて,2010年の温室効果ガスの排出量の見通しを推計している。
 これによると,2010年のエネルギー起源二酸化炭素の排出量は基準年度比で4.6%〜5.9%増加し,エネルギー起源二酸化炭素以外の温室効果ガスも加えた総排出量でも,基準年度比で0.9%〜2.1%上回ると見込んでいる。そのため,温室効果ガス排出削減対策として目標達成の目安となる2010年度の基準年度比−0.6%は現状のままでは達成できないと推計,京都メカニズムの活用量及び森林吸収量が現行の目標達成計画のとおりとしても,京都議定書の6%削減約束の達成には,1.5%〜2.7%不足すると見込んでいる。
 このことは,京都議定書の6%削減約束を達成するためには,追加的な対策・施策の導入が不可欠であることを示しているとしている。

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