機関誌「冷凍と空調」 / 2008.2 (NO.561)
海外短信
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第6回AHR Expo技術大賞,9社が受賞


 AHR Expoが1月22日〜24日,ニューヨークのジェーコブ・ジャビッツ・コンベンションセンターで開催され,初日には昨年業界で最も優れた技術革新による製品を提供したとして9社が選ばれ表彰された。この賞は,アメリカ暖房冷凍空調学会(ASHRAE:American Society of Heating, Refrigerating and Air-Conditioning Engineers),空調・暖房・冷凍学会(AHRI:Air-conditioning, Heating and Refrigeration Institute),国際博覧会社(IEC:International Exposition Company)及びAHR Expo事務局が共同で提供しているもので,受賞会社は記念のトロフィーと併せて,受賞を示すプラカードを自社のブースに掲げることが認められている。
 以下,受賞製品を紹介する。

●ビル・オートメーション部門

 アキュトロールLLC社の“アキュバルブ”がその栄に輝いた。この製品は正確に空気流量を調節することができるため,実験室の加圧調整,フードの臭気制御,気密室の給排気制御用に適している。これまでバルブは空気圧から電気式に切り替え調節していたが,最初から電気式制御を採用し,応答時間を大幅に短縮することに成功した。また,従来の製品では1枚のダンパブレードの中心に軸を設け90度の開閉をしていたが,2枚のブレードを45度開閉することで同じ効果で圧力損失を局限化し,ファン動力を節減,設備の省エネ化に貢献している。

●クーリング部門

 ウェスティングハウス社の“iQドライブTM”がSEER値23という高性能を評価され受賞した。ここでは室内外の圧縮機モーターに完全可変速技術を採用し,5°F刻みで容量調節が行えるようにした。ユニットはサーモスタットの設定点において公称出力で運転され,室内温度と設定温度の差により調節が行われる。その他にもこのユニットは,急速冷房時には18%増しの能力で急冷でき,除湿機能を備えている場合は内蔵の湿度調整装置が作動するようになっている。この技術の完成により,アメリカ初の電子速度制御法を導入したユニタリー型住居用エアコンディショナが完成し,成果を上げることができた。

●グリーン・ビルディング部門

 フォックスファイア技術を搭載したキヤリア社のエバグリーン23XRV型水冷式スクリュー・チラー(300〜550トン)が受賞した。このユニットは,この機種として業界で初めて可変周波数制御技術(VFD)を採用したものである。容積形圧縮機はどんなヘッド圧力下でも高効率で運転が可能であることから運転領域全般にわたって高効率を保つことができ,顧客に最大の応用性と高エネルギー効率を提供できる。このように柔軟性に富むことから,顧客は天候の変化,負荷の変動,運転状況の変化にも安心して対処することができる。この点が評価された。

●冷凍部門

 エマーソン・クライメイト・テクノロジー社の“システムプロ”が受賞した。このユニットは工場で組立て・密閉が完成し,保護装置(EKフィルタ,ドライヤ,HMI水分検知器)との試験も終えており,リーチ・イン型冷蔵庫,食品準備テーブル,カウンタ下設置のユニット等スペースの限られた応用に適している。また,これまで同種のユニットで4カ所必要であったロウ付けがわずか1カ所となり,設置業者の手間を大幅に改善した。これらの信頼性の向上が評価された。

●暖房部門

 ハロウェル・インターナショナル社の空気熱源ヒートポンプ“アカディア”が受賞した。このユニットは低温時にも安定運転が可能となる特許“オプティ−サイクル”を採用していて,地熱利用のシステムと同様の効果をより少ない設備コストで実現できる。さらに,このユニットは従来品と比べ燃料費を30%削減することに成功した。
 以上の他にも
  • 室内空気質部門:レノックス社の除湿機“ヒューミディトロール(Humiditrol)”
  • ソフトウェア部門:マクウェル社の見積用ソフトウェア
  • 工具・計器部門:オメガ社の“zシリーズ無線センサ”
  • 換気部門:EBMパプスト社の5枚羽根軸流ファン
が受賞した。


Air Conditioning, Heating and Refrigeration News Jan. 7 2008



ロンドンの地下鉄冷房計画推進にトラブル発生

 本誌2007年7月号で,ロンドンの地下鉄で構内及び車両の冷房を強化する計画が進められていると紹介したが,最近の地方紙ではメトロネットの倒産によりロンドン交通局(TfL)の金融計画に問題が生じ,プロジェクト進行の見通しが立たなくなっていると報じている。一方,TfL側はこの報道は行き過ぎであると否定している。
 この“クーラーチューブ”計画は,夏期の構内温度が47℃にも達し耐え難いという乗客の苦情から出発した。市長は「このまま放置すれば5〜6年以内にいくつかの路線を廃止せねばならなくなる」と語り,総額1億5000万ポンドの大規模な工事が計画された。目下TfLでは20億ポンドの負債で倒産したメトロネットを分離することを検討している。この決定には今年いっぱいかかる見通しで,さらにどれだけの金額が調達できるかも目下のところ不明である。
 TfLは2006年以来,ビクトリア駅のプラットフォームを地下水で冷却する計画を進めており,3台のファンコイルユニットで回収した熱を排水システムに排出する方法で,2007年CO2排出対策技術賞を受賞した。これらの成否も資金調達計画のいかんにかかっている。

RAC−REFRIGERATION AND AIR CONDITIONING January 2007


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