機関誌「冷凍と空調」 / 2008.2 (NO.561)
新聞に見る産業の動き
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[広報資料から(3)]電力・ポンプ不要の冷却システム

世界初,外部動力が不要で,高信頼性・長寿命・大容量の実用的な省エネ冷却システム
冷却性能が10kWの「ポンプレス水冷システム」を開発

2008年1月30日/三菱電機株式会社

 三菱電機株式会社(執行役社長:下村節宏)は,機械的なポンプを使わない冷却システムとして,気泡の浮力を利用した,冷却性能が 10kWという大容量の実用的な「ポンプレス水冷システム」を世界で初めて※1開発しました。冷却に電力や外部動力が不要な省エネ型で,信頼性が高く,長寿命で定期的メンテナンスの不要な冷却システムです。
※1:2008年 1月 30日現在,当社調べ

開発の背景
 電子機器の微細化・高機能化,電力機器のインバーター化・小型化の急速な進展に伴って,機器内部の発熱密度が急増しており,冷却が機器の限界性能や寿命を左右するようになっています。一般に,発熱量が増大するにしたがって,冷却形式は自然空冷式から強制空冷式へ,さらに熱伝達量の大きい水冷式へと変わりますが,水冷式には冷却液を循環させるポンプが必要で,重量と消費電力が増大するだけでなく,液漏れやポンプ停止時の信頼性を確保するために装置が大型になりがちでコストが高く,定期的なメンテナンスも必要です。このためポンプ水冷システムの適用は大容量の冷却システムに限られ,信頼性が重視される通信・情報設備,エネルギー供給設備,鉄道・交通インフラなどの重要施設からは,メンテナンス不要でも信頼性の高い大容量で高効率な冷却システムが求められています。
 従来,ポンプを使用しない比較的大きな容量の冷却システムとして,気泡の浮力を駆動力に利用するループ型ヒートパイプシステムが知られていますが,冷却液と気泡が混合状態で流れる放熱器の流動抵抗が大きいため大容量化が難しいのに加え,放熱器をシステムの最上部に配置する必要があることから,高さが大きくなったり,受熱部と放熱器のレイアウトが制限を受けたりするという問題があります。
 当社は,ポンプ水冷システムとループ型ヒートパイプシステムを融合し,大容量かつ高さやレイアウトの制約もないポンプレス水冷システムを開発しました。

主な開発成果
1. 冷却性能 10kWの大容量ポンプレス水冷システムを開発
   ループ型ヒートパイプシステムの流路に熱交換器を挿入して放熱器に液のみが流れるようにし,冷却性能が 10kWという大容量のポンプレス水冷システムを開発しました。機械的なポンプを使用せず,気泡の浮力という自然の力(重力)だけを利用しているにもかかわらず,体積はポンプ水冷システムと比べ 20%小さく,高さ 500mm以下,幅 1000mm以下,奥行き 250mm以下の寸法を実現しています。
2.
放熱器の位置を選ばないポンプレス水冷システム
 従来のループ型ヒートパイプシステムでは,気泡が到達した箇所で放熱するため,放熱器を最上部に配置する必要がありましたが,ポンプレス水冷システムの放熱器には液のみが流れるので放熱器の位置を選ばず,自由なレイアウトが可能です。
3. 外部動力,制御,配線,メンテナンスが不要
   ポンプレス水冷システムは,冷却に電力や外部動力を使用しません。ポンプ,ポンプを動かすモーター,モーターの電源,制御用の配線などが不要で,機械的な可動部がなく消耗部品もないため,信頼性が高く,長寿命で定期的メンテナンスの不要な冷却システムが実現しました。

今後の展開
 冷却性能の向上や軽量・コンパクト化などをさらに進め,パソコン,家電製品などの比較的小さな電子機器から情報・通信,エネルギー,交通などのインフラ設備まで,省エネルギーおよび環境に対する配慮が要求とされるさまざまな製品への展開をすすめてゆきます。
<以下略>

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