機関誌「冷凍と空調」 / 2008.12 (NO.571)
資料紹介
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神戸シンポ開催 /テクニカルセッション・ポスターセッション

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●テクニカルセッション
 テクニカルセッションでは,新冷媒セッション,カーエアコンセッション,省エネルギーセッション,圧縮機・潤滑油セッションがそれぞれ2セッション行われたほか,環境セッションと次世代・建築と空調機セッションの各1セッションの計10セッションが行われ,海外からの7名を含む40名による研究成果等の発表が行われた。


<テクニカルセッション会場内>

○環境セッション
 環境セッションでは,20日に5タイトルの発表が行われた。
 中国制冷空調工業協会の張朝暉氏からは,フロン転換の状況について,中国はモントリオール議定書では2010年にCFC消費を75%削減することになっているが,それを約2年半早く達成したこと,省エネや環境保護は国家政策であり,HCFCの段階的削減にも前向きであるが,目標達成には国際的なサポートが必要である等が発表された。
 EPEE(European Partnership for Energy and the Environment:欧州エネルギーおよび環境パートナーシップ)/ダイキンヨーロッパNVのエリス・バート氏からはEuP(Energy-using Products:エネルギー使用製品),特にLot 1&2(ボイラー・給湯機)とLot 10(エアコン)についての概要等やEPEEでの問題点などについての講演が行われた。
 また,パナソニック鰍フ西川浩二氏からは来年4月施行予定の改正家電リサイクル法についての説明が行われ,発表終了後の会場からの質問に対し,リサイクルの実施者の義務について各国はリサイクル会社にあるが日本はメーカーにあり,そのためリサイクル部品等が有効に利用されているといった説明もあった。
 その他,環境影響評価指標についての発表や冷媒の回収率を上げることが省エネについながるといった観点からの講演が行われた。

○新冷媒セッション
 新冷媒セッションでは20日,21日の両日,HFO-1234yfやCO2などの低GWP冷媒に関する8タイトルの発表が行われた。
 HFO-1234yfについては,開発を行ったデュポン・フロロプロダクツのバーバラ・マイナー氏とハネウェル・インターナショナルのマーク・スパッツ氏の講演があった。
 HFO-1234yfについてバーバラ・マイナー氏は,可燃性はあるもののおだやかなもので毒性も低いと発表。エアコンや業務用冷凍機器への応用についても,混合冷媒として使うことで能力,COPともにいい結果を得ることができるであろうとしている。
 しかし,当工業会のフロン・データベース構築WGの発表によると,4kWクラスの家庭用エアコンの冷媒をR410AからHFO-1234yfに変更した場合,消費電力が年間で20%,業務用エアコンでも8%増加するという。
 マーク・スパッツ氏は,R134aやCO2,アンモニアなどの自然冷媒と比較しながら,HFO-1234yfとハネウェルから最近商品化されたHFO-1234zeについて発表した。
 また,CO2冷媒を使ったヒートポンプやチラーサイクルについての研究発表が行われたほか,NEDOプロジェクトの1つである「ノンフロン型省エネ冷凍空調システムの開発」の評価方法や安全基準の構築などを行う「低GWP冷媒の安全性評価に関する開発プロジェクト」についての説明等も行われた。


<バーバラ・マイナー氏>


○カーエアコンセッション
 20日,21日の両日にわたり8タイトルの発表が行われ,ここでもカーエアコン用冷媒として開発されたHFO-1234yfについての検証結果等の発表が行われた。
 アメリカ環境保護庁のクリステン・タッドニオ氏は燃料消費がHFO-1234yfのような低GWP冷媒を使用するシステムのカギとなるとしている。
 JAMA(日本自動車工業会)からは新冷媒についての,LCCP(ライフサイクル温暖化特性:Life Cycle Climate Performance)等による評価結果が発表された。HFO-1234yfの毒性についてはまだ調査中ではあるが,R134aやCO2と比べ温暖化係数も低く,R134aに替わる冷媒となる見込みがあるとしている。
 また,ドイツのブラウンシュバイク大学のユルゲン・ケラー氏からは,アメリカとヨーロッパにおける気温,湿度,日射時間等,気象条件が違う地域での,カーエアコンの冷媒のCOPや燃料消費についての比較研究発表が行われた。
 その他としては,コンプレッサーや車載用クールボックスの開発成果発表等が行われた。


<ユルゲン・ケラー氏>

○省エネルギーセッション
 省エネルギーセッションは20日,21日の両日,2セッション8タイトルの発表が行われた。
 このセッションでは主に,エアコン,ヒートポンプ給湯機,冷凍機等の省エネ製品の開発についての発表が行われた。

○圧縮機・潤滑油セッション
 21日に行われたこのセッションでは,各種圧縮機の開発発表や冷凍機油の開発状況等について,2セッション8タイトルの発表が行われた。また,CPIエンジニアリング・サービスのジョー・カルナズ氏から,低GWP冷媒のための新しい冷凍機油開発のための青写真は出来上がっているとの発表もあった。

○次世代・建築と空調機セッション
 今回のシンポジウムでは次世代・建築と空調機として1セッション,3タイトルの発表が行われた。このセッションでは,日本ではまだあまり普及していない地中熱利用のヒートポンプシステムについて2つの発表があった。
 1つは戸建住宅用の量産システムとしては初めて開発された地中熱利用のヒートポンプ給湯・冷暖房システムについての紹介で,現在は量産モデルの実証実験の段階であり,来年度の市販を目指しているという。
 もう1つは,札幌近郊のローエネルギー住宅における地中熱利用ヒートポンプシステムによる暖房の年間実績についての紹介であった。ローエネルギー住宅では,熱源温度の安定に優れた地中熱利用ヒートポンプは非常に高い効率を示し,また,CO2排出量も石油を使った暖房と比べ,59%の削減となるという。
 また空気調和の要求性能に関する発表もあり,オーナーは要求性能を明確にするべきであること,インバータ駆動冷凍機と蓄熱システムとの適合性に関する試算結果などが発表された。

●ポスターセッション
 ポスターセッションは,神戸国際会議場の地下1階にポスターセッション室を設けて行われた。
 今回は神奈川工科大学の2タイトルとICARMA(冷凍空調工業会国際評議会)の1タイトルを含む13タイトルが出展され,それぞれの説明員が見学者への説明を行った。各テクニカルセッションの合間や昼休みには,ポスターセッションの会場が人でいっぱいになるなど盛況を呈した。
 当工業会も「日本冷凍空調工業会の地球温暖化防止対策に関わる基本的考え方」,「NEDO受託事業『ノンフロン型省エネ冷凍空調システムの開発』」,「神戸シンポの歩み」の3タイトルを出展した。


<ポスターセッション会場内>

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