機関誌「冷凍と空調」 / 2009.4 (NO.575)
海外短信
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HCFC冷媒使用の製品販売禁止で混乱

 アメリカ環境保護局(EPA)が昨年末に発行した通達「事前充てんした応用製品の販売と流通の禁止」と「HCFC冷媒の製造,輸入,輸出の規制実施に際し,適用を免除する制度」により,業界は若干の混乱に陥っている。
 業界ではHCFCを充てんした製品は2010年1月1日以降,販売・設置が一切できないと理解してきた。しかし一連のEPAの動きを見ると,事前に工場で充てん済みのウィンドユニット,ターミナルパッケージエアコン,いくつかの業務用の冷凍ユニットについては2010年1月1日以前に製造されたことが確かであれば,以後も販売・設置が可能とする方向でまとめようとしているようで,これらには2010年1月1日以前に製造され,事前充てん済みのコンポーネント類(コンデンシングユニット,配管セット,膨張弁等)の販売・設置と既存の機器へのサービスのための使用も認められるとみられている。

Air Conditioning, Heating and Refrigeration News Feb. 2 2009

統計値,全米規模の不況を示す

 空調機器の出荷統計は冬季には低迷するのが通例ではあるが,それを考慮しても2008年下半期の統計は大幅な下落となった。アメリカ冷凍空調暖房工業会(AHRI)の発表では,11月度のセントラルエアコン及び空気熱源ヒートポンプの工場出荷台数は23万1995台で,前年同期と比べると33%の大幅減となり,通期でみても559万5194台,8%の減少となった。ヒートポンプの出荷台数も9万5506台で前年同月比21%の減少,通期でみても176万8813台で0.8%の減少となっている。
 また,11月度は暖房空調冷凍ディストリビュータインターナショナル(HARDI:Heating, Airconditioning & Refrigeration Distributors International)によると,製造業のみでなく販売額も前年同月比で14.1%減少した。

Air Conditioning, Heating and Refrigeration News Feb. 2 2009


設備のグリーン化,2009年度も低迷化?

 どのビジネス分野をみても経済不況の影響を受け低調を極め,挽回の兆しも見当たらないが,ビル・設備のグリーン化分野は少し違った展開をみせるのではないかとみられている。
 業務用不動産情報会社のNo.1をもって任ずるコースタ・グループは昨年11月,10種類以上の調査結果や従業員の生産性向上,省エネルギー,環境配慮設計(LEED),建築業低落の影響,グリーン化に要する追加費用とその償却等に関する各種トピックスを掲載したレポートを発行するため,多忙を極めたという。これらの調査は過去数年来増えてはいるが,資産家層は信用危機と長期不況がグリーンビル化にどのような影響をもたらすか態度を決めかねている。
 ASHRAEの会長候補であるゴードン・ホーネス氏は「今建築業界が直面している不況下では,グリーン化への興味や投資が減退することは不可避のことのように思われるが,現在のグリーンビルの普及度からみても,今後短期間に回復・拡大が期待できる」と述べている。グリーン化のメリットはわずか2〜5%と見積もられているが,自然エネルギーを考慮すれば優に12〜15%となる。初期コストの上昇分は償却年数の短縮,ライフサイクルコストの低減等により十分短期間で償却可能だとしている。
 このほかにもグリーナ・ワールド・レポートからは,グリーンビルでは室内環境の向上により従業員の年間生産性向上額が1億7000万ドルに達し,その実施数が今後もますます増加することから額もさらに拡大すること,また,エネルギー面でも95億ガロンの水,30兆クワドのエネルギー消費を節減できることから,普及は急速に促進されるものと予測している。

Air Conditioning, Heating and Refrigeration News Feb. 9 2009


欧州空調冷凍業界,HFC冷媒の使用規制に抵抗

 欧州委員会がHFC系冷媒の地球温暖化係数の高さを危惧し,今年末にコペンハーゲンで開催される地球気候変動に関するHFC系冷媒規制の国際協定を制定するための会合に備えて活動を開始した。
 これに対して欧州のルームエアコンの業界団体AERAは,委員会が使用している総合等価温暖化因子(TEWI)には誤りがあるとした。さらに,現在進められているFガス規制における漏えいガス削減対策や,業界が取り組んでいる作業者の訓練計画といったプラス面をまったく考慮していないと非難した。
 AERAのフォックス技術委員長は「我々の使用するガスは,機器に充てんされればその潜在能力がいかにあろうと問題視するには値せず,漏えいを厳密に監視,防止すればよいことをもっと規制側に知らしめなければならない」と述べた。
 イギリスの冷凍空調業界は,HFC系冷媒を引き続き使用できることと,Fガス規制の実施延期を求めている。この延期により,主張している対策の実効を示すことができるからである。
 このような動きの一方で,政府側では実質的で安全な代替冷媒があればHFC系冷媒の使用の全面的禁止を考えているとし,3月に開催される「代替冷媒会議」の推移を見守っている。

RAC−REFRIGERATION AND AIR CONDITIONING MARCH 2009


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