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エネルギー監査により消費者レベルの向上を
エネルギーコストの高騰により,消費者はその削減方法を懸命に模索している。オバマ大統領は,温室効果ガスの排出量を2050年までに2005年レベルの83%まで削減することを目指して,エネルギー消費のキャップ・アンド・トレード計画を策定している。
エネルギー価格の高騰は,消費者の命取りになるので,もしHVAC業者がエネルギー監査により改善策を提供できれば,今後大きなビジネスチャンスとなる。
すでに全国の電力会社は米国環境保護庁(EPA:Environment Protection Agency)のエネルギー・スター制度と提携して,既設・新設住宅のエネルギー損失の監査法を提供している。
エネルギー監査法を習得するには,事前に膨大な準備が必要となる。ニューヨーク州エネルギー研究開発局(NYSERDA:New York State Energy Research and Development Authority)がビルディング性能機関(BPI:Building Performance Institution)と共同で,希望者を訓練するコースを提供している。ビルの調査法訓練,ビル躯体に関するコース,暖房専門コース,冷房専門コース,ヒートポンプ専門コース,モービルホーム専門コース等内容は多岐にわたっており,各コース終了時にはテストが課せられている。訓練は上記に止まらず,住宅エネルギー評価サービス(HERS:Home Energy Rating Service)計画等,さらに上級を目指す検定制度も設けられている。従業員にこれらの訓練を受けさせた業者の中には月間16件の監査を受注し,年間売り上げの25%をこれで得ているものも出てきている。
別の電力会社の例では,1万2000の顧客に監査を推奨,これまでに電力で379kW,57万6358kWh,157万5950ガロン(598万8610リットル)の水,5万872CCF(14万4070m3,1CCF=約2.832m3)のガスの節減に成功しており,貢献した業者には12万7599ドルの報奨金が与えられたという。
Air Conditioning, Heating and Refrigeration News June 1 2009
初の太陽光発電利用低温貯蔵(コールドストレージ)設備
カリフォルニア州はすべての面でのグリーン化,特に太陽光利用を強力に推奨している。これまで低温貯蔵設備に太陽光発電を利用した例は報告されていないが,今回サンディエゴ郡に建設された設備はこの最初となるもので,これまでの設備と比べエネルギーコストを75%削減することに成功したという。
イノベーティブ・コールド・ストレージ・エンタープライズ社の延べ面積13万5000ft2(1万2150m2)のこの設備は,各種の冷凍食品,調理済みの食品の貯蔵のために建てられた。この建物は高さ60ft(18m)で,従来のものと比べ非常に高く,同じ屋根面積に対して貯蔵量を増やすことができるという利点を持っている。設備の消費エネルギーの90%は冷凍に当てられる。太陽光の集光に重要な屋根の面積を増やすことなく貯蔵量を拡大できるので,所用電力を低減することができる。
一方,屋上のペントハウスには,経済性の面から容量35トンの蒸発器が8基設置された。
屋上に設置された太陽光パネルから得られた電力で,冷凍機を運転する。冷凍機の制御システムは太陽光パネルと連携しており,最も外気温が高い時間帯(電力料金も最も高くなる)に得られた電力に見合うように圧縮機の回転数を調整し,出力を調整する。こうして建物が必要とする電力の72%を太陽光パネルで処理することに成功したという。
この成功により,同社はサンディエゴガス・電力会社から持続可能な社会計画に貢献したとして,22.5万ドルの賞金を獲得し,併せて建築物の環境配慮基準(LEED)の金賞を取得している。
Air Conditioning, Heating and Refrigeration News June 1 2009
輸入材料の欠陥?によりコイルの腐食事故多発
最近,米国HVAC業界は,空調機器のコイルの腐食事故に悩まされている。原因は調査中であるが,輸入された銅材の含有硫黄成分による“ドライウォール”の疑いが濃くなっている。関係機関の調査によると,東南部,カリフォルニア,フロリダなど合計6万5000軒以上の住宅に,硫黄を発する中国製のドライウォールが含まれているという。
現在,米国消費者製品安全委員会(CPSC:the U.S. Consumer Product Safety Commission)には18の州から合計365件の苦情が寄せられている。「カタリナ」,「リタ」等のハリケーンに襲われ新築ブームが続くフロリダ,ルイジアナからは,腐った卵の臭いや目がヒリヒリする,家中の金属面が腐食するという苦情が多数寄せられている。EPAと米国保健福祉省(HHS:Department of Health and Human Services)の共同調査の初回報告では,中国製のドライウォールのサンプルから,米国製に比べて硫黄,ストロンチウム,鉄分が高いレベルで検出されたという。これらの物資は銅を腐食させ,ピンホール穿つ原因となる。
メーカーでは当初,製造側の責任による事故とみて対策に当たっていたが,調査が進むにつれて環境に起因するとの疑いが濃くなった。その他の原因としては,石炭火力発電所からの排出物に含まれる硫黄成分も上げられている。
いずれにしてもこの問題は単なるコイルからの漏えい事故に止まらず,大きな環境問題,国際調達問題に発展することになろう。すでにいくつかの訴訟が起こされており,第2の中国製品事故となるかと懸念されている。
業界では顧客に対し,問題物件を早期に発見するよう目視調査することを求めている。2004〜2008年に建築された住宅は,この種のドライウォールを使用したものが多い。経験を持った建築士,空調専門家による調査を求めることを推奨している。
Air Conditioning, Heating and Refrigeration News June 22 2009
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