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ICARMA第17回定例会合報告
10月21日〜23日,ソウルで開催 |
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2009年10月21日から23日,韓国・ソウル市において冷凍空調工業会国際評議会(ICARMA)の第17回定期会合が開催されました。当工業会からは有原正彦会長他2名が出席しています。
会合の内容について,概要を事務局の報告書から紹介します。
冷凍空調工業会国際評議会(ICARMA)に出席して
報告者:佐川秀俊(事務局)
1.はじめに
冷凍空調工業会国際評議会(ICARMA)は,2009年10月21日から23日の3日間にわたって,韓国ソウル市のミレニアム・ソウル・ヒルトンホテルにて第17回定期会合を開催した。7か国のICARMAメンバー国から17名の代表者が今年の会合に参加した。なお,欧州冷凍空調工業会(EUROVENT)は,欠席した。
韓国冷凍空調工業会(CRAA)のリー(Wan-keun Lee)会長が議長を務めるなか,6名すべての評議員がそれぞれの国や地方に沿ったHVAC&Rの展開に関する最新情報を発表した。以下に,会合の概要について紹介する。
2.各工業会の最新情報の発表
(1) ブラジル冷凍空調・換気工業会(ABRAVA)
ブラジル冷凍空調・換気工業会(ABRAVA)はモントリオール議定書対応としてHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)全廃計画,気候変動枠組み条約対応として産業界全体での状況紹介,ブラジルHVAC&R市場の概要を発表した。
(2) 米国空調暖房冷凍工業会(AHRI)
米国空調暖房冷凍工業会(AHRI)は米国の気候変動に対する政策として,全米規模での家庭用エアコン,暖房機,ヒートポンプの省エネ政策,ビルディングコードの省エネ面での改正,また,HFC(ハイドロフルオロカーボン)規制としてワックスマン・マーキー法案を紹介した。
(3) 欧州冷凍空調工業会(EUROVENT)
欧州については,当日EUROVENTが欠席のため,代わってEPEE(エネルギーと環境に係る欧州共同体)の活動状況についてICARMA事務局より報告した。ヨーロッパ法令やEuP実施条例の進展と,建物のエネルギー性能に関する指令の改正等の動向及びそれらに対するEPEEの対応状況を発表した。
(4) カナダ暖房冷凍空調工業会(HRAI)
カナダ暖房冷凍空調工業会(HRAI)は,冷媒の責任ある使用や市場にベースをおいた取り組み,エネルギー効率の政策とデータ動向について発表した。
(5) 韓国冷凍空調工業会(KRAIA)
韓国冷凍空調工業会(KRAIA)はまず,韓国のHVAC&R産業の概要紹介し,次にエネルギー効率と冷媒の責任ある使用に関する改善の努力(冷媒回収対策,漏洩低減のための実態調査結果)を発表した。
(6) 日本冷凍空調工業会(JRAIA)
日本冷凍空調工業会(JRAIA)は気候変動に対するJRAIAの取り組みとエネルギー効率の改善,省エネの推進,また冷媒回収と次世代冷媒のためのR&D(Research and Development:研究開発)の推進,見える化対策等について紹介した。
(7) 中国冷凍空調工業会(CRAA)
中国冷凍空調工業会(CRAA)は,中国HVAC&R産業の現状を紹介したあと,HCFCの全廃日程,代替冷媒技術としてR410Aの普及・R290の研究開発・R32の産業用への使用検討,エネルギー効率状況,製品検定制度,冷媒の責任ある使用として技術トレーニングに焦点を当てた発表を行った。
3.ICARMAの活動と討議内容
評議会のメンバーではこの会議期間中に多くの重要な課題を議論した。
(1) 気候変動論争におけるICARMAの役割
『気候変動論争におけるICARMAの役割』の議題では,冷媒排出削減,HFC冷媒消費量の段階的削減の動きから米国より気候変動に関するICARMAの役割の一環として見解書案「HFCとモントリオール議定書」(HFCをモントリオール議定書で規制する場合の諸条件,配慮提案)が提示された。
本見解書案は,事前に配布されていなかったこと,また,モントリオール議定書締約国会合(本件が提案審議される)が11月上旬にエジプトで開催予定のため,各国持ち帰りその後の状況判断も踏まえて次回1月のWG会合にて再度検討することとした。
(2) グローバル冷媒戦略・「責任ある冷媒の使用」の発刊
『グローバル冷媒戦略・「責任ある冷媒の使用」の発刊』の議題では,責任ある冷媒の使用を主張するにはその裏づけとなる実質的なデータを提供する必要から冷凍空調業界の責任ある冷媒使用の実例を一つの文献にまとめ,それを推進する手段とした。そのため,今回事務局から上記実例を取りまとめた原稿資料を配布の上,検討を行ったが,共通項目となるもの,独自項目等がまだ散在しているため次回1月のWG会合にて最終取りまとめを行うこととした。
(3) グローバル冷媒戦略・「冷媒研究のためのICARMA情報センター化」
『グローバル冷媒戦略・「冷媒研究のためのICARMA情報センター化」』の議題では,冷媒排出削減及びHFC冷媒消費量の段階的削減を許容できる後継冷媒の開発を意図した数々の研究発案が世界中で進んでいるとして,上記研究情報の集約点又は「情報センター」として役に立つICARMAホームページを設営することについて討議した。冒頭,参考事例として米国AHRIより冷媒研究事業として以下が示された。
- 冷凍空調機器用GWP(地球温暖化係数)20以下の冷媒使用に当たっての規制・基準調査(毒性,高圧ガス,可燃性等)調査対象国:米国,EU,日本
- 冷凍空調機器用LCCPモデル事業:内容的には,カーエアコンで行ったものと同様となる予定。
- R22使用機器のサービス用冷媒の熱安定性と化学的適合性調査:ドロップイン冷媒の研究。
日本側意見として,冷媒メーカーの広告媒体化となる恐れ,低GWP冷媒としてどの程度の値のものを対象とするのか,機器メーカーとして情報公開できる範囲が限定される等発言したが,本目的はあくまで自主的な範囲での情報提供が前提である旨事務局より説明あり,各国工業会の判断によりICARMA情報センターへ提供することとした。
(4) 国際規格への調和
『国際規格への調和』の議題では,HVAC&R機器規格化の優先順位に関するICARMAの結論を伝えるものとして,要となる規格作成団体へ配布するための「ICARMA規格情報」の作成を目途としているが,国際規格作成WGへの出席が人材・経済両面から困難等,各国意見が分かれたため次回,継続検討することとした。
日本側意見として,現在のISO規格化の進捗状況に,遅れ,中断が目立っており,これを是正することが先決である旨発言した。
(5) 知的財産権(IPR)の保護
『知的財産権(IPR:Intellectual Property Rights)の保護』の議題では,各国内のHVAC&R展示会で配布するICARMA知的財産権(IPR)推奨リストの作成に当たり,展示会主催会社等へ配布する手紙案について検討した。内容中,専用小間の設営,及び法律顧問の常駐等今までの展示会では不可能な内容有との意見もあり,本手紙内容をチェックの上,次回WGで配布する日程,今後の計画を検討することとした。
(6) ICARMAの概要
1991年に設立されたICARMAは,国際市場において重要なシェアを誇る冷凍空調暖房機器メーカーを持つ主要国の,メーカー団体を会員とする組織である。その売上高は年間1000億米国ドルに達している。この評議会は世界の冷凍空調業界に影響を与えている問題を議論する公開フォーラムの役割を果たしている。
- ICARMAは,CO2などの放出削減,気候とオゾン層の保護にコミットしている一方,世界の人々の生活の質と,健康,また生産性の向上のために冷凍暖房空調を提供する責務を引き受けている。
- ICARMAはフルオロカーボンの排出を最小限にするよう世界中の製造工場に奨励している
- ICARMAの会員は,技術者の技術レベル向上にむけたグローバルスタンダードを推進するための技術者訓練ガイドラインを支持する。適切な技術者訓練は,冷媒放出を最小限にし,環境を保護するための重要な要素である。ICARMAはHVAC&R機器を設置,点検,整備する技術者のための教育機会を増強する訓練プログラムを支援する。
- ICARMAはまた,冷媒の収集,運送,貯蔵,または処理をするための回収,再生利用および破壊プログラムの利用を推進する。現在多くの冷凍空調業界では,価値連鎖のすべてのレベルにおいて,そのような処置に取り組んでいる。
評議会は,設計の段階において機器のリサイクルを考慮することや,機器設置者が機器管理ガイドラインを採用することを推奨し,また業界の再生利用に関する努力を政府に報告することや,一般の意識を高めるなど,自主的リサイクル活動の継続を支援した。
- ICARMAは,環境を保護し,消費者と業界の繁栄を推進するようなバランスある規制の制定を提唱している。これには冷媒選択を支持することも含む。評議会は法規制の立案者に,現在業界において行われている自発的な冷媒管理と環境保護の努力について情報を提供する。この提言は地域と国のレベルで行われる。
4.おわりに
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<ICARMAソウル会合出席者> |
現在,ICARMAには,ABRAVA(ブラジル),AHRI(アメリカ),CRAA(中国),EUROVENT(欧州),HRAI(カナダ),JRAIA(日本),及びKRAIA(韓国)が加盟していて,これら加盟団体は世界の経済と世界中の消費者に価値ある貢献をしている。今後はインドやオーストラリアをメンバーに加えることも検討した。
また,ミーティングの前日には,ソウル市の新旧取り混ぜた街並みや,景福宮を初めとする名所旧跡を観光した。

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