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気候変動枠組条約・京都議定書が発効
―日本に「−6%」達成の圧力― |
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| 1997年,京都で採択された気候変動枠組条約・京都議定書が発効しました。これにより,日本は国際的に約束した温暖化ガスの排出抑制の実行を迫られることになります。発効までの簡単な経緯と概要を紹介します。 |
| (編集係) |
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1.これまでの経緯
(1)気候変動枠組条約
地球温暖化に関する国際的な議論は1980年代に開始され,1992年には気候変動枠組条約が採択された。この条約の目的は温室効果ガスの濃度の安定化であり,締約国が「共通に有しているが差異ある責任及び各国の能力の従って」地球温暖化対策を推進すべきであり,「先進締約国が率先して気候変動及びその悪影響に対処すべき」であるという原則が定められた。
この原則に基づき,先進国(附属書I国として規定されたOECD諸国及び市場経済に移行する国(旧社会主義国)),途上国(非附属書I国),附属書I国のうち技術支援や資金提供を行う先進国(附属書II国に規定されたOECD諸国)の3グループに分けられ,
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温室効果ガス排出・吸収目録の作成や,温室効果ガスの排出削減努力→すべての締約国 |
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2000年までに1990年レベルに戻すことを目指し,温室効果ガス排出削減のための政策・措置を実施する→先進国 |
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途上国への資金供与や技術移転→旧ソ連・東欧諸国を除く先進国 |
とそれぞれ異なるレベルでの対策を講ずることが合意された。また,先進国については,1990年代の終わりまでに二酸化炭素の排出量を1990年のレベルに戻すという努力目標も定められた。
わが国では1993年5月,国会の承認を経て受諾している。
<1990年の附属書I国の二酸化炭素排出割合>
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(2)京都議定書
気候変動枠組条約では十分な対策が規定されなかったことから,1995年にベルリンで開催された第1回締約国会議(COP1)で先進国に対し数値目標を課する法的文章の交渉を開始,「ベルリンマンデート」により第3回締約国会議(COP3)で採択することとなった。これに基づき1997年,地球温暖化防止京都会議(第3回締約国会議)において,法的拘束力のある先進各国の具体的な目標数値を規定した京都議定書が採択された。
京都議定書の採択後,その運用ルールについての交渉が続けられた。2001年のボンでの第6回締約国会議(COP6)再開会合においてボン合意がなされ,同年11月のマラケシュでの第7回締約国会議(COP7)で途上国問題,京都メカニズム,吸収源,遵守制度の運用ルールなどがほぼ完成した(マラケシュ合意)。
マラケシュ合意を受け,わが国は2002年6月に京都議定書を締結した。その一方で,世界最大の排出国であるアメリカはブッシュ政権発足後の2001年3月,
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発展途上国が削減義務を負っていないことは不公平 |
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米国の経済に悪影響がある |
といった理由で,京都議定書からの離脱を表明した。そのため,京都議定書の発効要件である「条約の締約国55カ国以上の締結」と「締結した附属書I国の合計の二酸化炭素の1990年の排出量が全附属書I国の合計の排出量の55%以上」を満たすにはロシアの批准が必要となり,その動向が注目されていた。
2004年11月4日,プーチン大統領が京都議定書批准法案に署名し,ロシアの京都議定書批准が決定した。ロシアは国連に11月18日批准書を寄託,90日後の2005年2月16日に京都議定書は発効した。
<気候変動枠組条約・京都議定書の批准国>
(2005年2月14日現在)
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2.京都議定書の概要
京都議定書は,二酸化炭素(CO2),メタン(CH4),一酸化二窒素(N2O),ハイドロフルオロカーボン(HFC),パーフルオロカーボン(PFC),六フッ化硫黄(SF6)の6種類のガスを対象温室効果ガスとしている。これらの排出量を2008年〜2012年の第1約束期間で,先進国全体で1990年を基準に5%削減することを目指し,各国ごとに法的拘束力のある削減目標が定められた。わが国では1990年比で6%減となっている。また,目標達成に際し吸収源もカウントすることができる。
| <京都議定書の目標と認められた吸収量の上限> |
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EU |
アメリカ |
日本 |
| 京都議定書の目標 |
-8% |
-7% |
-6% |
| 吸収量の上限値 |
0.4% |
1.7% |
3.9% |
| 吸収量差し引き後 |
-7.6% |
-5.3% |
-2.1% |
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| 注)アメリカについては,条約事務局に提出したデータを基に算出した暫定的なもの |
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さらに,国別の約束達成に係る柔軟措置として,京都メカニズムが採用された。京都メカニズムとは以下の3つをさす。
| 共同実施(JI) |
: |
附属書I締約国(先進国)同士が共同で温暖化対策事業を行い,その事業によって削減された排出削減量を,事業の投資国と事業の受け入れ国とで分け合うことができる制度 |
| クリーン開発メカニズム(CDM) |
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附属書I締約国が技術や資金を提供し,非附属書I締約国(途上国)で温暖化対策事業を行い,共同実施と同じように,その事業によって排出削減された量を,事業の投資国と事業が行われる国とで分け合うことができるという制度 |
| 排出量取引(ET) |
: |
京都議定書の削減目標をもつ国(附属書B締約国)の間で,排出割当量の一部を取引することができる制度 |
3.日本の取組み
1997年の京都議定書の採択を受け,1998年には「地球温暖化対策推進に関する法律(地球温暖化対策推進法)」が制定され,さらに,地球温暖化対策推進本部において「地球温暖化対策推進大綱」が決定された。京都議定書の発効により,2002年に公布された「地球温暖化対策の推進に関する法律(温暖化対策法)の一部を改正する法律」が全面施行され,本年度に予定されていた現行の「地球温暖化対策推進大綱」(2002年3月19日改正)の評価・見直しは,「京都議定書目標達成計画」の策定に移行することになった。
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