機関誌「冷凍と空調」 / 2009.2 (NO.573)
資料紹介
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自主リコール,消費者の視点から
―リコール促進の共通指針案―

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 内閣府は「リコール促進の共通指針(案)―消費者の視点から望まれる迅速・的確なリコールのあり方―」を公表しました。この指針は事業者をはじめ事業者団体,消費者,行政その他関係者の参考とし,迅速,的確なリコールの促進を図ることを目的としたもので,「食品・製品等のリコールに関する分野横断的指針についての研究報告書」に基づき作成されたものです。概要を紹介します。
(編集係)

1.これまでの経緯

 2004年6月,消費者が安全で安心できる消費生活を送ることができる環境を整備するため,消費者保護基本法が改正され消費者基本法が制定された。消費者基本法は,「消費者の権利の尊重」と「消費者の自立の支援」を基本とし,政府は消費者政策の計画的な推進を図るため,消費者基本計画を定めなければならないとされている。これを受け2005年〜2009年までの5年間を対象とした消費者基本計画が定められた。
 消費者基本計画は,毎年度,検証・評価・監視のとりまとめが行われているが,2007年度の検証・評価・監視のとりまとめで,国民の安全・安心のための対策が拡充・強化された。特に,自主リコールの促進については,消費者政策会議で「自主リコールを促進するため,リコールの意思決定等について分野横断的共通指針を作成する―平成20年度までに一定の結論を得る。」とされた。
 これを受け,内閣府は2007年9月から2008年1月まで7回にわたりリコール等に関する研究会を開催,自主リコールの分野横断的指針の策定に向けた論点整理を行い,2008年6月に「食品・製品等のリコールに関する分野横断的指針についての研究報告書」を発表した。
 この報告書では,迅速・適切な判断と体制に基づいてリコールが行われ,リコールに関わる情報が消費者や関係機関等に迅速かつ効果的に伝わり,関係する事業者間の連携・協力によりリコールが円滑に進められることによって消費者被害の拡大防止・未然防止につながることが,リコールのあるべき姿とだとしている。適切な自主リコールは,社会全体の安全と安心を高めるとし,以下の5点が基本的に重要であるとしている。

  • 対象品の危険性について適切な情報の収集・分析・評価を行う。
  • 危険性の評価に基づき,リコールの開始,方法等についての意思決定を迅速,適切に行う。
  • リコールの内容を明らかにし,分かりやすく消費者に伝達する。
  • リコール情報を関係者,関係団体,行政機関などに迅速に提供する。
  • リコールを実施する事業者が,他の事業者と連携・協力する。

 また,指針策定の基本方針として,以下の3点をあげている。

  • 流通後の安全確保対応としてのリコールの対象を,食品や製品のみならず,建物施設を含めできるだけ広くとらえるための枠組みを示す。
  • 流通後の安全確保としてのリコールの方法を,消費者への情報提供や注意喚起を含めて広くとらえるための枠組みを示す。
  • 大規模事業者にとって望ましいリコールのあり方を示すだけでなく,中小規模の事業者にも使いやすい指針であることを目指す。

 さらに,リコールの方法について,

  • 消費者の手元にある食品・製品の引き取り
  • 消費者の手元にある食品・製品の交換
  • 消費者の手元にある製品の点検・修理
  • 消費者への代金返還
  • 建物施設の点検・修理
  • 危険性について消費者に注意喚起,情報提供

が考えられるとしている。

 この報告書の検討結果及び調査結果を踏まえ「リコール促進の共通指針(案)」が検討・作成され,1月19日から2月18日までパブリックコメントにかけられた。
 なお,2008年7月の消費者政策会議において「消費者・生活者を主役とした行政への転換に向けて(工程表)」が了承され,この中にも自主リコールについて「自主リコールを促進するため,リコールの意思決定等についての分野横断的共通指針の策定について具体的に検討を進める(2008年度中)とされている。

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