機関誌「冷凍と空調」 / 2009.4 (NO.575)
工業会レポート
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冷凍空調機器の使用時排出係数等を見直し
―代替フロン使用時排出量調査結果より―

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○新係数による推計排出量

 HFC使用機器について,新係数を適用した結果,図1のようになった。この結果,必要量と冷媒用途のHFC国内出荷量の整合性を示すバランス(マスバランス)も確保されている。しかし現在,業務用機器,家庭用エアコンともにHFCへの転換過渡期であり,今後,断続的な調整が必要であると思われる。

図1  業務用冷凍空調器機及び家庭用エアコンにおける
冷媒出荷量(HFC)と使用量との需給比較

 

 この調査結果をこれまでのインベントリー(国別排出量報告)に反映させ再集計した結果,2007年の冷凍空調分野の推計排出量は二酸化炭素換算で昨年発表された速報時の470万トンが1140万トンと2.4倍となった。このうち業務用冷凍空調機器は130万トンが690万トンと5.3倍に,家庭用エアコンでは50万トンが170万トンと3.4倍となった。HFC排出量全体では650万トンがほぼ2倍の1320万トンとなった。

図2 HFC構成比の修正前と修正後の比較

 また,従来のインベントリーにさかのぼって1995年以降について再計算した結果,HFC全体の2007年度は基準年である1995年度比はこれまで67.8%の減少であったものが35.0%の減少と32.8ポイント上昇することとなった。
 この結果,温室効果ガスの総排出量は二酸化炭素換算で1億3780万トンとなり,基準年比8.7%増から9.2%増と0.5ポイントの増上昇となった。
 なお,将来推計については,従来からインベントリーベースの個別機器の使用時排出係数の積上げに加え,冷媒の出荷量の推移をもとに,把握外の不明分を排出の可能性のあるものと見込んで行っていた。今回の使用時排出係数等の見直しにより,冷媒の不明分が解消され,インベントリーの単純延長により将来推計を行うことが可能になった。そのため,新たな将来推計は,京都議定書の第1約束期間中,−1.6%の貢献を見込んでいた旧将来推計とほぼ一致する結果となっている。

<新方式による1995年〜2007年におけるHFC等の推計排出量>

(単位:百万CO2-t)

○今後の対応について

 当工業会では今回の調査の過程で,従来当工業会で設定していた値より漏えい率が高いと見込まれたことについて,業界でも真摯に受け止め,積極的に今後の漏えい対策を実施していく。2008年5月,会員各社の参画のもと,「冷媒漏えいWG」を設置,対策の基本的方向性について検討を進めている。10月には提言案をとりまとめ,製品委員会での議論や関係団体との協議を実施しているところである。
 一方,現在使用されている冷媒を完全に封じ込めることは,最近の廃棄時回収率や漏えいの実態を踏まえると困難なことと思われる。そのため,抜本的な対策となる代替冷媒の開発を加速することが必要であると思われる。
 また,使用時漏えい低減のためのメンテナンスの実施等の促進,整備・廃棄時の冷媒回収率の向上のためには,ユーザー等への周知活動も不可欠である。ユーザー注意喚起を目指した表示について,当工業会の方針として取り組んでいくことを昨年12月の理事会で決定した。原則として当工業会の取扱品目はすべて対象となる。表示の具体的内容については現在検討中である。

 

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