機関誌「冷凍と空調」 / 2009.9 (NO.580)
工業会レポート
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冷媒の「見える化」について
冷凍空調機器の冷媒充てん量をCO2換算量で表示

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3 冷媒の「見える化」の概要

(1) 対象機器

 原則として日本冷凍空調工業会会員企業の取り扱い品目であるフロン類を冷媒とするすべての冷凍空調機器の新規出荷品(いわゆる海外生産品も含む)。
(注)カーエアコンについては,回収率の高さ等を考慮し,対象外

(2) 機器本体への表示内容及び表示方法

①  標準表示

 標準表示とは,冷媒充てん量の地球温暖化係数によるCO2換算値の次のいずれかの数値による表示である。

   a   実冷媒充てん量のCO2換算値
  b   冷媒充てん量のCO2換算値の幅(下限値及び上限値)
  c   冷媒充てん量のCO2換算値の上限値

 なお,冷媒の放出による潜在的な環境負荷が最大となるのは,システムに充てんされている全冷媒の放出時であることから,冷媒充てん量は,システムに充てんされている冷媒全体の量とすることを基本とする。

② 通常の場合の表示内容

   a 標準表示により,冷媒充てん量のCO2換算値を表示する。セパレート形にあっては,室内機(負荷側機器)及び室外機(熱源機)双方に表示する。
セパレート形…2つ以上のキャビネットの中に圧縮機,熱交換器,送風機などを収納したものであって,室外機に圧縮機を収納したもの。
例:室内機と室外機に分かれたエアコン,別置形ショーケース
  b CO2換算値の表示単位は,キログラムとする。
見やすさの観点から,10,000キログラム以上を目安とし,トン表示も可。
  c 冷媒を確実に回収すべきこと等,冷媒の大気中への排出の抑制に関する事項を併せて表示する。
  d フロンの見える化表示を表すシンボリックロゴを付すことを基本とする。
※色は,十分な視認性の確保と屋外使用時の耐久性の確保に留意して,適宜選択

③ 表示内容の特例
 1つの室外機(熱源機)に多数の室内機(負荷側機器)が接続されるような場合を想定し,一定の条件のもと,室内機に限って,いわばその室内機1台分に当たる冷媒量のCO2換算値を表示することができる特例が設けられている(JRAガイドライン JRA GL-08:2009の6.1.2のc 参照)。

<機器本体への表示内容>

④ 表示方法
 表示は,所有者,使用者,管理者等多くの者が視認できることが必要であるので,以下に留意して,見やすく,かつ,容易に消滅しない方法で行う。

   a   機器本体に表示すること。
なお,セパレート形の場合にあっては,室内機(負荷側機器)及び室外機(熱源機)の本体に表示すること。
(注) 機器本体に表示することが視認性の観点から不適当と考えられる場合には,機器に接続された周辺の箱体等の適切に視認できる箇所に表示
  b   表示事項を容易に視認できるように表示すること。
  c   表示事項が,容易に消えたり見えにくくならない方法により行うこと。

⑤ 設置・修理工事業者等への依頼事項
 設置時の冷媒充てんに際して冷媒の「見える化」に関する表示を行う必要がある場合の依頼等必要な事項を表示する。

(3) マニュアル等への記載事項

 冷媒充てん量のCO2換算値を基本情報として位置付けた上,施工/工事マニュアル,取扱説明書等に必要事項を記載する。

(4) 表示開始時期

 表示を実施する場合,相応の準備が必要となり,表示を始めることができる時期は,会社ごと,工場ごと,機種ごとに異なることが予想されることから,準備ができたものから順次実施することを前提に,JRAガイドラインでは,「当該製品について冷媒充てん量のCO2換算値に係る表示を行うことが可能となった日の翌日以後に出荷する製品に適用する。」と規定されている。

4.むすび

 日本冷凍空調工業会では,冷媒の「見える化」により,冷媒の大気中への排出による環境負荷に対する意識がかん養され,冷媒の稼動時漏えいの防止,廃棄・整備時の回収徹底等が図られることで,冷凍空調機器業界における努力とあいまって,冷媒の大気中への排出の抑制とその結果としての地球温暖化の防止を切望するものである。

 

 


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