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温暖化ガス1990年比25%減を表明
―民主党の環境政策について― |
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2.マニフェスト等による主な環境政策
民主党は選挙に当たり「民主党の政権政策Manifesto 2009」を公表した。マニフェストは「1. ムダ使い」「2. 子育て・教育」「3. 年金・医療」「4. 地域主催」「5. 雇用・経済」「6. 消費者・人権」「7. 外交」について,55の各論からなっている。
この中の「5. 雇用・経済」の42〜46に環境とエネルギーについて,「6. 消費者・人権」の47に消費者についての政策が書かれている。環境・エネルギー・消費者に関する政策について,表1に示す。
マニフェストに掲げられた各政策についての詳細は,「民主党政策集INDEX 2009」に書かれている。また環境については,昨年12月24日に民主党環境政策大綱「民主党環境ビジョン」を公表している。「民主党政策集INDEX 2009」の環境,消費者,エネルギーに関する概要を表2に,「民主党環境ビジョン」の地球温暖化対策等の概要を表3に示す。
以下,民主党の地球温暖化対策等に関する政策のほか消費者,エネルギーに関する政策について見ていく。 なお,現連立政権樹立に当たっては,地球温暖化対策として,以下4項目において3党間で合意がなされている。
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① |
温暖化ガス抑制の国際的枠組みに主要排出国の参加を求め,政府の中期目標を見直し,国際社会で日本の役割を果たす。 |
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② |
低炭素社会構築を国家戦略に組み込み,地球温暖化対策の基本法の速やかな制定を図る。 |
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③ |
国内の地球温暖化対策を推進し,環境技術の研究開発・実用化を進め,既存技術を含めてその技術の普及を図るための仕組みを創設し,雇用を創出する新産業として育成を図る。 |
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④ |
新エネルギーの開発・普及,省エネルギー推進等に,幅広い国民参加のもとで積極的に取り組む。 |
(1) 環境政策全般
環境面と社会面を両立させた持続可能な社会を目指し,循環型社会システムの構築に取り組むとし,以下の4点をあげている。
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① |
環境技術や省エネ技術等の開発・普及による安定的な雇用の確保と環境負荷の低減と環境配慮形経済発展につながる環境と経済が統合した社会の実現 |
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② |
市民意識の改革 |
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③ |
環境意識の向上,市民参加,情報公開,良好な自然の保全と回復,公正な環境影響を内部化する市場の構築,都市計画制度を含めた広範な制度の改革 |
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④ |
NGOによる国際貢献の促進と支援 |
(2) 地球温暖化対策基本法
マニフェストにはこの法律について直接は書かれていないが,環境ビジョンと政策集INDEX 2009には地球温暖化対策基本法の創設が謳われている。国連気候変動首脳会合で表明され,マニフェストにも記載されている「CO2等排出量について,1990年比で2020年までに25%減,2050年までに60%超減を目標とする」という中長期目標は,この法律により設定されることになる。また,同じくマニフェストに記載されている「新エネルギー等の供給量を,2020年までに一次エネルギー供給量の10%とする」という中期目標もここで設定されることになる。
この地球温暖化対策基本法案は第171回通常国会で参議院に提出されているが,その概要は以下のとおりである。
1)基本原則
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① |
新たなライフスタイルの確立等を通じた低炭素社会の実現 |
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② |
国際社会に対する積極的貢献 |
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③ |
エネルギー安全保障への寄与,エネルギーの安定供給の確保 |
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④ |
技術開発その他の研究開発・普及の促進 |
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⑤ |
地球温暖化対策に資する産業の発展・就業機会の拡大,経済との調和 |
2)中長期目標の設定
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① |
2020年までの中期目標 |
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- 日本の温室効果ガスの排出量を1990年比25%削減する。
- 新エネルギー等の供給量を,一次エネルギー供給量の10%とする。
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② |
2050年までの長期目標 |
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- 温室効果ガス排出量についてできるだけ早い時期に,1990年比60%超削減をめざす。
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3)基本的施策
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① |
国内排出量取引制度の創設(2011年度) |
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② |
地球温暖化対策税の創設 |
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③ |
固定価格買い取り制度の創設,その他新エネルギーの利用の促進 |
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④ |
革新的な技術開発の促進 |
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⑤ |
建築物・機器等に係る省エネ等 |
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⑥ |
排出量情報等の公表(CO2の見える化) |
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⑦ |
フロン類等の使用の抑制等 |
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⑧ |
温室効果ガスの吸収作用の保全及び強化 |
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⑨ |
地球温暖化対策に係る新規事業への支援 |
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⑩ |
地方公共団体の温暖化対策への財政措置 |
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⑪ |
地球温暖化への適応のための施策 |
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⑫ |
国際協力の推進 |
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⑬ |
教育・学習の振興 |
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⑭ |
調査及び監視の実施,技術普及のための制度調査・研究 |
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⑮ |
政策形成への民意の反映等,地球温暖化対策委員会の設置 |
基本的施策のいくつかについて具体案を見てみると、以下のようになっている。
●国内排出量取引市場
キャップ&トレードによる実効ある排出量取引市場を設立。EU排出権取引制度(EU-ETS)など海外市場とのリンクについては,国際炭素市場を視野に入れながら推進する。
●地球温暖化対策税
地球温暖化対策税を検討する。税収は,省エネルギー・新エネルギーの技術開発,設備投資,普及等に優先的に配分,地球温暖化対策に活用する。
●固定価格買い取り制度
全量買い取り方式の再生可能エネルギーに対する固定価格買い取り制度を早期に導入する。また,効率的な電力網(スマートグリッド)の技術開発・普及を促進する。
●建築物・機器等の省エネ等
住宅用などの太陽光パネルや環境対応車,省エネ家電などの購入を助成するとしている。
●CO2の見える化
CO2の「見える化」(カーボン・ディスクロージャー)の推進をあげ,具体案として以下があげられている。
- 家電製品等の供給・販売に際しCO2排出に関する情報を通知
- 電気代やガス代等の請求書や領収書にCO2排出量等を記載
●オゾン層破壊防止・フロン回収
マニフェストには直接あげられていないが,政策集と環境ビジョンにはフロン回収率の向上と脱フロン化の促進があげられており,環境負荷の少ないフロン代替物質への転換とフロン類の使用規制などを進めるとしている。
<地球温暖化対策基本法案のポイント>


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