環境への取り組み

環境行動指針と行動計画

冷媒の評価と転換促進

オゾン層保護あるいは地球温暖化防止対策を目的に、1990年以来大掛かりに冷媒の段階的転換を推進しているところであり、今後も、現実的な活動と中長期的視野での冷媒転換のための活動をバランス良く進めてゆく。

  1. 冷媒に係る責任ある使用の原則
    オゾン層破壊物質であるCFC冷媒の新規使用の全廃を達成し、HCFC冷媒の使用全廃に向けた技術的な方向付けができたところである。一方、HCFCの重要な代替物質であるHFCが温室効果ガスに規定されたこと、および、HFC冷媒を使用せざるを得ない領域があることを考慮し、「冷媒の責任ある使用の原則」に立って、冷凍空調機器のライフサイクルにおける冷媒の適切な取り扱いに努める。

    【重要課題】
  • HFC系冷媒の必要性評価:用途に応じての環境負荷・安全性・経済性の総合評価
  • 環境負荷低減製品設計:省冷媒量システム、使用時漏えいの極少化設計、冷媒回収効率向上設計


  1. HCFC冷媒からHFC系冷媒への転換促進
    HCFC22使用機器のHFC系冷媒への生産転換を加速しているところである。従来の方針通り、オゾン層保護の目標達成のために、HFC系冷媒への生産転換と普及促進を図る。

    【重要課題】
  • HFC系冷媒への生産転換の促進:主要製品は1998〜2003年に、他製品は2009年に転換を終了
  • HFC系冷媒使用機の普及促進:工事・修理事業者および機器使用者への製品の情報提供を促進
  • HFC系冷媒に関する適切な情報提供


  1. 地球温暖化対策を考慮した冷媒の更なる追求
    地球温暖化問題は、冷媒の温暖化係数だけでなく、省エネルギー・省資源・安全性・経済性などを総合的に考慮して進める必要がある。今後、さらに多様化する冷凍空調ニーズに合わせて、環境負荷の小さい冷凍空調システムと冷媒の追求を継続する。

    【重要課題】
  • 環境効果の総合的な評価:TEWI/LCCP評価などの検討
  • 非フルオロカーボン冷媒使用可能分野の拡大:アンモニア・炭化水素系・炭酸ガス・吸収式などの可能範囲における利用拡大
  • ODP※1ゼロ・低GWP※2冷媒使用の可能性追求:新たな冷媒の利用の可能性追求


  1. 冷媒に関する情報発信
    オゾン層保護および地球温暖化対策におけるフルオロカーボンなどの扱いは、国際的な論議の中で進められている。適切な意見と情報の発信およびこれらをもとにした協調を維持することが必要である。

    【重要課題】
  • 国際的な情報発信の促進:国際シンポジウムおよびHVAC&R※3などを通しての情報発信
  • UNEP※4/TEAP※5/RTOC※6などへの参加:モントリオール議定書と地球温暖化対策に係る冷媒用途などの化学物質の扱いに対しての国際的な情報発信に寄与
  • ICARMA※7などの国際協調:冷媒問題に対して、世界的な視野でのコンセンサスの形成
  • 途上国支援:国・関係業界が行う支援活動および各社海外拠点における技術移転の推進

※1 ODP(Ozone-depleting Potential):オゾン層破壊係数

※2 GWP(Global Warming Potentials):地球温暖化係数

※3 HVAC&R(Heating, Ventilating, AirConditioning and Refrigerating)

※4 UNEP(United Nation Environmental Program):国際環境計画

※5 TEAP(Technology and Economic Assessment Panel):技術・経済アセスメント・パネル

※6 RTOC(Refrigeration Technical Option Committee):冷凍技術選択肢委員会

※7 ICARMA(the International Council of Refrigeration and Air-conditioning Manufacturers Associations):冷凍空調工業会国際評議会


環境行動指針と行動計画