地球と家計にやさしいエコキュート。ついに1,000万台 突破!!
おかげさまで家庭用自然冷媒(CO2)ヒートポンプ給湯機(通称:エコキュート)は
累計出荷台数(※)が1,000万台を突破しました!
※国内累計出荷台数(一社)日本冷凍空調工業会 統計 2025.3 現在
省エネ住宅の普及策の現状と可能性について
株式会社リクルート SUUMO編集長
池本 洋一

省エネ性能の高い住宅の供給は明らかに普及期に入った。分譲マンション業界では今やZEH水準を満たすことが大手は全社、中小デベロッパーでも当たり前化の動きがある。分譲一戸建てを年4万戸供給する飯田グループホールディングスもZEH水準をほぼ標準仕様としており、等級6の建売商品も一部で販売開始している。また2024年4月からは、新築住宅・賃貸を販売・賃貸する際には省エネ性能ラベルを広告掲載することが”罰則付き努力義務”として施行され、2025年4月時点の新築マンションで約50件、新築戸建ては約8000件、賃貸は約2万件のラベルが広告表示されている。住宅供給側は省エネ・断熱が普及期に入った。
消費者の認識はどうだろうか?弊社の住宅購入・建築検討者調査によれば住み替え検討者のZEHの認知率は2024年時点で70%に達した。また補助事業に対する認知率も高まっている。図1の「給湯省エネ事業」も約70%の検討者が名称認知しており、25%が内容も認知し、関心があるとしている。前述した省エネ性能ラベルが広告掲載されている新築と未掲載の新築住戸を比べると新築マンションで1.3倍、新築一戸建てで1.5倍の問い合わせ効果だ。また2024年11月からは既存住宅向けの省エネ部位ラベル(図2)がスタートした。熱損失の大きい窓、エネルギー消費量の大きい給湯器のいずれかが省エネ適合基準より上回ればその旨を広告で明示できる。掲載数は新築に比べて少ないが、着実に伸びていくと思われる。今後の課題は、仲介・管理会社への認知拡大がカギだ。一般消費者や物件オーナーに現場が説明できない。そこで私自身、賃貸オーナーとして断熱性・省エネ性の高さを訴求するツールを作成した。それを問い合わせ時の返答で送ると読んでもらえ、契約に相場より約1割高い家賃も納得してもらえた。また更新時に家賃アップも許容してもらえた。理解しやすいツールの活用がブレークスルーとなるだろう。
図1
図2
経歴
1972年滋賀県生まれ。1995年上智大学新聞学科卒業後、株式会社リクルートに入社。
2011年SUUMO編集長、2019年からSUUMOリサーチセンターセンター長を兼任。
国土交通省 社会資本整備審議会住宅宅地分科会委員等多数を務める。共著に『なぜ住まいのカーボンニュートラルは進まないのか?』など。