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地球と家計にやさしいエコキュート。ついに1,000万台 突破!!

エコキュート1000万台突破

おかげさまで家庭用自然冷媒(CO2ヒートポンプ給湯機(通称:エコキュート)
累計出荷台数(※)が1,000万台を突破しました!

※国内累計出荷台数(一社)日本冷凍空調工業会 統計 2025.3 現在

エコ住宅はエコキュートと共に

積水化学工業株式会社 住宅カンパニー 広報・渉外部
技術渉外グループ シニアエキスパート
塩 将一

積水化学工業株式会社 塩 将一

エコキュートが累計出荷1,000万台の規模まで市場拡大されたことに関し、関係者の皆様にお祝い申し上げます。
当社の新築住宅におけるヒートポンプ給湯機(以下エコキュート)の累積導入件数(契約ベース)は2001年から順調に推移し、2025年3月時点では約20万件に達しています。当社が推進してきたエコ住宅の中心にはエコキュートと太陽光発電システム(以下PV)が有り、CO2排出量の削減、光熱費削減に寄与できたと認識しています。

具体的には1997年からオール電化とPVを組み合わせて光熱費削減を訴求する住宅の販売を始めました。当時、オール電化の給湯メニューは電熱式の電気温水器でしたので、エネルギー効率が低く環境性能の説明が難しい状況にあり経済性に偏った訴求になっていました。しかし2001年にヒートポンプ方式のエコキュートが登場したことで、経済性と環境貢献の両面訴求が可能となりました。ここで確立したエコ住宅の基本モデルに対し様々な改良を加えながら今日まで進化させています。

筆者は創成期にエコキュートメーカーの工場見学に行きました。まだ出荷数が少ない為、製造ラインは自動化されておらず手押しの台車に加え、銅管のロウ付けも手作業という状況でしたが、前工程の溶接の結果確認が行われるまでは、次工程の溶接機器のスイッチが入らないというような品質管理が手作業でも適切に行われていることに感心しました。1,000万台を突破した現時点ではラインの自動化が進んでおり、品質管理レベルも向上していることでしょう。

エコキュート導入の初期には、寒冷地の対応製品が無い、追い焚き機能が不十分等の課題が多数ありましたがそれらが改善されるとともに、機器効率(APF、当時はCOP)が大幅に上昇し、マイコン制御による省エネモード(必要湯量の適正化)も充実してきました。当社では新築住宅へのエコキュート搭載率は2010年以降、常に8割を超える状況にあります。更に2015年からはZEHの取り組みが始まったことで、エコキュートはPVと共に住宅購入者にも広く認知されるようになったと感じています。

社内では2021年頃よりFITのPV余剰電力売電単価が、再エネ賦課金等を加えた深夜電力の購入単価よりも安くなる事例が出現し、PV余剰電力によるエコキュートの昼間沸き上げ運転の効果検証を行っていましたが、エコキュートの業界でも「おひさまエコキュート」が製品化されました。当社でも「おひさまエコキュート」への切り替えを積極的に行っている状況です。これが家全体のエネルギー活用の適正化(もしくは合理化)という意味で、一歩進んだ取り組みになると考えています。

2024年度に経済産業省ではDRready勉強会を立ち上げ、エコキュートや蓄電池等機器の遠隔制御、自動制御の検討、検証が始まっています。ここではエコキュートは単なる1住戸の為の給湯家電機器ではなく、電力の安定供給にも寄与できる設備機器という位置づけで評価されています。2050年カーボンニュートラルニュートラル社会の実現に向けて、今後もエコキュートへの期待が高まると確信しています。

 

経歴

1985年神戸大学大学院卒後、積水化学工業株式会社入社。
1998年より太陽光発電、オール電化などスマートハウスの専任担当として従事。
太陽光発電協会、日本電機工業会等、エネルギー関連の外部団体でも活動している。

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