【製品・ビジネスモデル部門】全熱交換形換気扇「ロスナイパーシャルリノベーション」1.はじめにカーボンニュートラルの実現に向けた建物のZEB化を背景に、
2025年度 省エネ大賞
省エネルギーセンター会長賞
三菱電機株式会社
No.710 2026年3月
【製品・ビジネスモデル部門】
全熱交換形換気扇「ロスナイパーシャルリノベーション」
1.はじめに
カーボンニュートラルの実現に向けた建物のZEB化を背景に、空調と換気エネルギーの削減が重要視されていることから、既設建築物においても全熱交換器の機器更新および高効率化の需要は高まっている。
しかし主にオフィスビルなどで採用されている全熱交換器は天井埋込形が多く、機器を更新する場合には天井開口を伴う工事が必要であり、施工のコスト・期間が問題となって更新が進んでいない。
「ロスナイパーシャルリノベーション」は、全熱交換器天井埋込形の最新主要部品をパッケージ販売し、内部部品のみ更新を行う(図1)。
内部部品のみの更新であれば、機器をメンテナンスするために設けられている点検口からの更新作業が可能となる(図2)。天井開口工事が不要となるため、省施工・省コストを実現。更に主要な内部部品を最新部品に更新することで、消費電力を削減しCO2削減を実現。
これらにより全熱交換器天井埋込形の更新促進に貢献する。
また部品更新のため機器更新と比較し、調達・廃棄時の資源を削減し、CO2排出量の削減につながることから、環境負荷低減にも貢献。以下でその特長を紹介する。

図1:ロスナイパーシャルリノベーションイメージ

図2:点検口からの更新作業イメージ
※ロスナイパーシャルリノベーションの対象機種は、2008年~13年販売の業務用ロスナイ天井埋込形です。対象形名はLGH-**RS(X)5(D)です。風量1,500・2,000㎥/h機種は対象外です。
※ロスナイパーシャルリノベーションの実施には必ず現地調査が必要です。現地調査の結果、ロスナイパーシャルリノベーションの施工を実施できない場合があります。
※ロスナイパーシャルリノベーションの施工は、弊社主催の施工認定店講座を受講いただいた施工業者様のみ可能です。

写真1:2025年度省エネ大賞表彰式にて表彰される
三菱電機株式会社 中津川製作所 橋口所長(写真右)
2.製品の技術的特長
(1)部品更新のため本体更新と比べて、施工コストを削減
主要部品(送風機・ロスナイエレメント等)を点検口から更新可能とすることで、
機器更新で必要な天井開口工事が不要となり、施工コスト削減を実現。
(長寿命で継続使用が可能な製品筐体、内部風路部品は同梱部品に含まず継続使用)。
具体的な施工コスト削減イメージは下記のとおりで、施工コスト全体で約49%(※1・2)の施工コスト削減を実現した(図3)。
①機器設置工事 約26%減(※1・2)
②ダクト設備工事 不要(※1)
③電気設備工事 約59%減(※1・2)
④撤去工事 約86%減(※1・2)

図3:施工コストイメージ
※1:工事工程は現地の状況により異なります。
※2:施工コストは DCリプレースマイコン(LGH-RN15RXV2)、ロスナイパーシャルリノベーション部材(PGL-P15RX5)それぞれ 1台を既設品から更新した場合の当社試算値です。本試算値は一例であり、 実際の工事条件により数値は異なります。
(2) 高効率なDCブラシレスモーターへの更新で消費電力削減
高効率なDCブラシレスモーターへの更新が可能となり、既設品(ACモーター搭載)から約30%(※1・2)の消費電力削減を実現(図4)。
また別売部品CO2センサーを使用することで、CO2濃度にあわせた風量自動制御が可能となり、換気のムダを抑制。機器単体や空調負荷抑制による空調機の消費電力削減にも貢献。

図4:ランニングコストの比較(参考値)
※1:記載性能は、当社にて製作したLGH-50RS(X)5(D)の試作品に対してロスナイパーシャルリノベーション部材を組み込んだ場合の性能であり、実際の性能を保証するものではありません。実際の性能は既設品の劣化状態により異なります。
※2:既設品(LGH-50RX5)の風量、全熱交換効率などの性能は新品時と仮定し試算。ロスナイパーシャルリノベーションの風量、全熱交換効率などの性能は当社にて製作したLGH-50R(X)5(D)の試作品に対してロスナイパーシャルリノベーション部材を組み込んだ結果より試算しています。上記グラフの値はJIS B 8628 2003に規定された全熱交換効率測定時の室内外空気条件下における当社試算値です。
【計算条件】
・対象室体積 243m3 (≒9.5m×9.5m×2.7m)
・最大在室人数 12名(対象室(90.25m2)において、1人あたりの占有面積を5m2/人で計算した18名に対し、在室率67%の在室人数)
・季節条件 夏期3.5か月(平日75日、休日32日) 冬期3か月(平日60日、休日30日)
中間期5.5か月(平日114日、休日54日) ・温湿度条件 JIS B 8628 2003に規定された全熱交換効率測定時の室内外空気条件(夏期 室外34.5℃ 75% 室内26.5℃ 64.5%、冬期 室外5℃ 65% 室内20.5℃ 59.5%)
・機器情報 空調機 暖房COP3.6 冷房COP3.19、ロスナイ 更新前LGH-50RX5 (60Hz)
(性能は新品の場合を想定)×1台 更新後PGL-P50RX5 (60Hz)(当社にて製作したLGH-50RS
(X)5 (D)の試作品に対し、ロスナイパーシャルリノベーション部材を組み込んだ場合の性能)×1台 換気回数2.0回/h(強ノッチ時)
・運転条件 空調機 8:00~20:00運転 20:00~8:00停止、ロスナイ8:00~20:00強運転 20:00~8:00微弱運転 CO2センサー装着時はCO2濃度に応じた風量自動制御
・目標CO2濃度 1,000ppm
・電気料金目安単価 31円/kWh
(3) 筐体・一部部品の再利用による環境負荷低減
部分更新のため、機器更新と比較し調達・廃棄時の資源(鉄・スチロールなど)を削減し、CO2排出量を抑制。更に製造・輸送にかかるCO2排出量も削減され、環境負荷低減に貢献(図5)。

図5:設計から廃棄までのCO2排出量削減イメージ
※1:DCリプレースマイコン、ロスナイパーシャルリノベーションどちらもDCブラシレスモーターを使用するため、CO2排出量を比較しておりません。
※2:DCリプレースマイコン(LGH-RN50RXV2)、ロスナイパーシャルリノベーション部材(PGL-P50RX5)それぞれ1台において、調達、製造、輸送、廃棄におけるCO2排出量を試算し、削減効果を計算。
試算はISO14040及びISO14044の要求事項に従い実施しています。IDEA ver2.3、IEA(2020)Emission Factors、IPCC AR5、電気事業者別排出係数を参照し計算しています。
DCリプレースマイコン(LGH-RN50RXV2)は製品質量37kg、包装材質量5kg、ロスナイパーシャルリノベーション部材(PGL-P50RX5)は製品質量13kg、梱包材質量6kgにて試算しています。代表機種のCO2排出量の比較であり、機種によってCO2排出量は異なります。
3. おわりに
当社は今後も施工性・施工コスト改善、消費電力削減、環境負荷低減を実現する製品開発・販売を通じて、社会課題の解決に貢献していく。
以上





























