海外短信

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No.654 2017年12月

パナソニック 英国の空調機販売会社「AMP社」を買収 業務用空調機を欧州に拡販
 2017年7月、パナソニックは2020会計年度(年度末2021年3月)までに業務用空調機の売り上げを2,000億円とする計画を発表した。これまで主にRACを生産していたマレーシア工場でアジアおよび欧州向けにPACとVRFの業務用空調機も生産する。
 パナソニックにとって特に重要な市場は欧州であり、2016年10月にフランスのシュナイダー・エレクトリックと業務提携、2017年9月には英国を拠点とする空調機の販売会社であるA.M.P.エアコンディショニング(AMP)を買収した。業務用およびその他のエアコンシステムで強力な販売網と販売実績を持つAMPは英国でトップクラスの販売シェアを持っている。AMPの母国である英国はトルコ、フランスについで三番目に大きなVRFの市場となっている。
 パナソニックはAMPから得た業務用空調機のセールスノウハウをもとに英国以外の欧州各国へも販売を急速に拡大しようとしている。
〔JARN October 25, 2017〕

パナソニック 英国の空調機販売会社「AMP社」を買収


欧州 ハイドロカーボンの調査研究に大型プロジェクトを立ち上げ
 ハイドロカーボンの充てん量増加の可能性を調査する大型プロジェクトにEUの予算が確保された。プロジェクトはLIFE FRONT(Flammable Refrigerant Options for Natural Technologies)と呼ばれるもので、冷凍空調において“可燃性自然冷媒”が直面している障害を取り除くことを目的としている。
 欧州においてビル用空調機に充てんする可燃性冷媒の最大許容量は現在EN378に規定されているが、最近改正され微燃性冷媒の充てん量の規定が追加された。
 プロジェクトは2020年7月まで実施され、主要な狙いを関係者は次のように述べている。

■欧州および世界での可燃性冷媒の標準化プロセスへの支援
■可燃性冷媒を使用した冷凍空調機器の設計を改善し安全に対するリスクを軽減
■欧州の機器メーカーに対する技術支援
■欧州の「非フッ化代替冷媒」を用いた空調機器の競争力向上
■欧州における2030年の気候目標達成の支援

 EUが自然冷媒の調査研究にだけ予算を付けたことに対して批判的な意見もでている。冷媒管理の認証機関Refcomを率いるグレアム・フォックス氏は「プロジェクトはひとつの解にだけ焦点を当てているが、多様な選択肢のなかから最適なものを選ぶのがよい。本来行政は技術的に中立であるべきだ」と述べている。
〔RAC, October 2017〕


欧州のスーパーマーケット アルディ
英国の700以上のすべての店舗でCO2冷媒に切り替え
 ディスカウントスーパーマーケットのアルディは英国のすべての店舗で冷媒をCO2に切り替えると発表した。上位のライバル企業に対して敢えて低GWP冷媒の採用を拡大し、環境対策の基準レベルを引き上げた。
 アルディは現在英国で五番目に大きなスーパーマーケットであり、店舗数は700店以上、およそ29,000人を雇用している。
 野心的なこの計画ではまず2018年末までに約2,000万ポンド(約30億円)のコストで100店舗の冷媒転換を図る。アルディではすでにいくつかの店舗でCO2冷媒を使用した冷凍装置が稼働している。
 CO2冷凍装置はAIエンジニアリング、アークティック・サークル、エプタ、およびリサニアン・マニュファクチャラーREFRAの4社から採用の予定となっている。
〔RAC September 2017〕

アルディの据付中のCO2冷凍装置


米国連邦控訴裁判所 EPAに対しHFC規制の見直しを命じる
 米国の連邦控訴裁判所は環境保護庁(EPA)に対して2015年にEPAが定めたHFC規制を見直すように命じた。この規制はHFCを種々の用途で“使用不可”とし、HFOや自然冷媒のような低GWP冷媒への転換を求めている。
 冷媒メーカーであるアルケマとメキシケムの訴えに対応したもので、大気浄化法のもとではEPAはHFCの転換を求めることはできないと判決した。大気浄化法はオゾン層破壊に応じたものであり、地球温暖化防止を目的としたものではないというのが判決理由になっている。訴えた冷媒メーカー2社はHFCの代替冷媒を商品化しておらず、EPAの定めた規制はビジネスにおいて不公平と彼らは主張している。
 今回の判決は低GWP冷媒産業の発展を妨害するものとして非難されているが、一方で米国はモントリオール議定書の改正でHFCの世界的な段階的削減に署名しているため、今回の判決はR134aの使用が若干伸びる程度の短期的な影響ともみられている。
〔RAC September 2017〕


米国 R-22の回収量 EPAの予定を大きく下回る
 米国環境保護庁(EPA)によると、EPAが承認した業者が2016年に回収し蒸留再生したオゾン層破壊冷媒の量は、10,804,918ポンド(約4,905トン)であり、この内9,409,494ポンド(約4,272トン)がR-22であった。
 2016年の量は、2015年の蒸留再生量9,514,001ポンド(約4,319トン)、この内R-22が7,812,805ポンド(約3,547トン)よりも増加しているが、これまで最高であった2008年の12,555,824ポンド(約5,700トン)、この内R-22が10,045,071ポンド(約4,560トン)より少なかった。
 これらの蒸留再生量が少ない量だということはない。1,080万ポンド(約4,900トン)は大きい量だ。これほど大きな量がAHRI標準700の冷媒純度基準を満たすために蒸留再生所に戻ってきたことは冷凍空調業者や技術者の貢献によるものである。しかし、EPAが予定している量と比較すると1,080万ポンド(約4,900トン)は失望する数値となっている。種々の推定をもとにEPAは回収量を2016年レベルの2倍から4倍を予定しているのである。
 戻ってこない冷媒、蒸留再生されない冷媒はどこにいっているのか。業者が貯蔵しているのか、規則に準拠して同じ顧客に再利用しているのか、規則に違反して違う顧客の機器に使用してしまっているのか、最悪の場合であるが大気放出してしまっているのであろうか。いずれにしてもEPAの予定量を大きく下回る状況となっている。
〔Air Conditioning, Heating and Refrigeration News November 6, 2017〕

回収ボンベの数を記録する二人の技術者


中国メーカー 空調機の生産を拡大
2017冷凍年度の販売台数は前年より28.5%増加
 中国国家情報センターによると、2016年9月から2017年10月までの2017冷凍年度における中国国内向けの空調機の販売は5,622万台に達し、前年より28.5%の増加となった。売上高は前年よりも30.5%増加であり、これまでの最高記録となった。都市部での販売は4,062万台で前年より30%の増加となり、地方での販売は1,560万台、前年より24.8%の増加であった。2016年8月から2017年6月までのルームエアコンの中国における生産は1億6500万台に達した。
 空調機の市場が大きく伸びた要因は、中国のほとんどの地域で暑い天気が続いたこと、不動産市場がブームであったこと、都市化が加速したこと、そしてインターネットでの販売比率が増加したことなどが挙げられる。
 空調機の販売が拡大することによっていくつかの小さな地方ブランドも市場へ参入しだしている。
〔JARN October 25, 2017〕