海外短信クローズアップ

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No.668 2020年3月

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国境を越えて拡大する中国のコールドチェーン物流システム
中国政府は2017年からたびたびコールドチェーン物流産業の開発をサポートする方針を表明してきた。これが市場で成果を生み出し始めている。

中国の物流購入組合(CFLP)のデータによると、中国のコールドチェーン物流産業は2012年から2018年まで毎年前年を上回る成長を遂げており、2018年には2,886億元(約4兆5,300億円)の事業規模となった。2020年には4,700億元(約7兆3,800億円)に達するものと予測されている。

■ 中国国内の15の地域税関がコールドチェーン物流システム構築の覚書に署名
中国国内の15の地域税関は2019年10月13日、重慶市における西部陸海新物流ルートチャネルの建設に協力する旨の覚書を締結した。すべての税関はコールドチェーン物流システムの建設には積極的に協力し、省を跨ぐ直行の農産物輸送列車の試行を始めた。覚書に署名したのは、中国西域の重慶市、南寧市、貴陽市、及び海岸線の湛江市、海口市など15の地域税関となっている。

新たに建設される陸路及び海路の物流ルートにより、ベトナムから重慶までの冷凍食品の輸送日数はこれまでよりも20日間短縮され、わずか8日となる。またコストはコンテナ当たり3,000元(約4万7千円)から4,000元(約6万3千円)安くなる。

■ ベトナムとコールドチェーン物流ルートを共同建設
“広西防城港市コールドチェーン計画”と“中国ベトナム交易経済協力第4回フォーラム”の会議が9月22日、南寧市で開催された。主要議題は「中国とベトナム間のコールドチェーン物流チャネルの建設について」であった。

フォーラムにおいて防城港市は国内外の関連都市と連携して「西部陸海新通道コールドチェーン経済都市アライアンス」をスタートし、陸海新ルートコールドチェーンの構築を提唱した。輸送時間短縮、低コスト化、迅速な通関業務につながる国際貿易のための陸路海路2つの輸送ルートを建設し、政府、企業及び社会の資源を統合することによりコールドチェーン産業全体を育成し拡大を図る。

トンキン湾に面した中国海岸線の西南端に位置する防城港市は、ベトナムに接し、中国南西部で海洋へのアクセスが便利である。また中国市場に入ってくる東欧諸国にとっては陸路と海路の双方で重要な都市となっている。また防城港市と北京市、済南市、上海市、重慶市及び瀋陽市との間の列車による冷凍冷蔵コンテナ輸送も正式に運行が開始された。ベトナムの東北部に位置し、中国と国境を接しているベトナムのクワンニン省の産業貿易省との間で防城港市はコールドチェーン物流協力協定を結んでいる。



写真1:“新西域陸路・海路コールドチェーン経済都市
アライアンス”発足式典



■ パキスタンとアフガニスタンの国境の要所に冷蔵設備を建設
中国がパキスタンとアフガニスタンの国境にある交易の要所トゥールハムに冷蔵設備を建設するとパキスタンの新聞は伝えている。「一帯一路」構想による中国パキスタン経済回廊及び地域間統合に関する国際会議(ICPC-TR2019)”が2019年9月11,12日にパキスタンで開催され、中国の駐パキスタン大使であるヤオ・ジン氏は「トゥールハム国境の機能は交易を将来伸ばすために極めて重要だ」と述べている。パキスタンとアフガニスタンの交易を伸ばすために、試行として9月9日にまる一日国境が開かれた。正式に国境が開かれるのは9月14日からとなっている。


〔出典:JARN October 25 2019 & JARN November 25 2019〕

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