2023年度 省エネ大賞
資源エネルギー庁長官賞
三菱電機株式会社

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No.696 2024年3月

【製品・ビジネスモデル部門/家庭分野】
住宅の環境に合わせて自動でコントロールするAIエアコン「霧ヶ峰 Zシリーズ」


1.はじめに
近年、健康に対する意識の変化や在宅勤務などの新たな働き方が「新しい生活様式」として定着する中、身体的・精神的・社会的に満たされる状態を指す概念「ウェルビーイング」に貢献する製品やサービスへの関心が高まっている。ルームエアコンにおいては、こうしたニーズに加えて、電気料金の値上げによる家計への負担増加や地球温暖化の進行などによって、より省エネルギーで脱炭素社会 に貢献する製品が求められている。

そこで当社は「霧ヶ峰Zシリーズ」において、大容量機種への高効率圧縮機の搭載を実現することで全容量帯で2027年度省エネ基準(APF)をクリアしたほか、独自の学習機能でエアコン起動時の消費電力を抑える「エコスタート」機能や、暖房運転時の着霜量モニタリング方式を改善し霜取り頻度を低下させることで、室温低下による快適性の悪化と暖房復帰時の空調負荷発生を抑制する「快適ロング暖房」を開発した。以下でその特長について紹介する。



【授賞式の写真】

省エネ大賞2023 三菱電機
写真1:表彰される三菱電機株式会社の尋木 保行 上席執行役員
リビング・デジタルメディア事業本部長(写真右)



2.製品の技術的特徴
■全容量帯で2027年度省エネ基準をクリア

2024年度モデルZシリーズにおいて、省エネ法に基づく2027年度を目標年度とする省エネ基準(APF)を、目標年度に先んじて2.2kWから9.0kWの全容量帯でクリアした。大容量機種では圧縮機の制振性を高める駆動制御技術により、高効率圧縮機の搭載を実現し、省エネ基準をクリアした。              


床加振力比較グラフ

写真2:床加振力比較グラフ



■独自学習機能で使用環境に合わせたムダの少ない立ち上がり運転制御 「エコスタート」

ルームエアコンは起動から設定室温に早く到達し、かつ到達後に暖めすぎや冷やしすぎがないことが理想的な起動時の動作である。起動から瞬時に設定室温まで到達することが理想的だが、現実はエアコン起動時の能力の立ち上がりまでの時間や部屋の熱容量の影響等で実現不可能である。

そこで、圧縮機回転数の変化量をエアコン自身が自動的に調整するアルゴリズムを開発した。従来は住宅性能によらず固定だった設定室温到達までのエアコンの能力調整動作を、住宅性能に合わせて最適化。設定室温に対しあたためすぎ、冷やしすぎを減らして快適にしつつ、エアコン起動時の消費電力を抑える(注1)。
(注1) MSZ-ZW4024S。当社環境試験室(16畳)にて、暖房時は外気12℃、室温設定20℃、起動から室温安定までの30分の比較。冷房時は外気35℃、室温設定27℃、起動から室温安定までの40分の比較。

 
【エコスタート制御イメージ】


写真3:エコスタート



■着霜量モニタリングの改善で連続暖房時間を従来比約6.5倍に延長 「快適ロング暖房」

暖房時に室外熱交換器の着霜が進行すると熱交換効率が低下するため霜取りが必要となる。霜取り中は一時的に暖房運転を止めるため、室温低下による快適性の悪化とその後の室温回復のための圧縮機回転数上昇により無駄な消費電力の発生を引き起こす。

従来は着霜状態の検知精度が高くなく、室外熱交換器の温度が閾値以下であれば一定時間経過すると非着霜状態でも霜取りを行っていた。

この課題に対し、非着霜状態での霜取り頻度低減のため着霜量の検知精度を高めるアルゴリズムを開発した。これにより、連続暖房運転時間を従来の約6.5倍となる最大90分から最大600分(注2)に延長して霜取り頻度を低下させることで室温低下による快適性の悪化と暖房復帰時の空調負荷発生を抑制した。
(注2) 環境条件により連続運転時間と霜取り時間は異なります。


【快適ロング暖房動作イメージ】


写真4:快適ロング暖房



3.おわりに
当社は「人をもっと快適にできるはずだ。」という、三菱ルームエアコン霧ヶ峰が半世紀以上大切にしてきた想いのもと、これからも人を中心とした快適と更なる省エネ性の向上を追求し、ウェルビーイングや脱炭素社会の実現に貢献していく。


以上

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