2021年 西崎会長 年頭所感

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No.674 2021年1月

2021年賀詞交歓会はコロナ禍により見送られましたが、当工業会、会長の西崎太真より新年の挨拶を申し上げます。

新年あけましておめでとうございます。日頃より、経済産業省、環境省等関係各省庁、関係団体、会員企業の皆様には、当工業会の活動に格別のご支援・ご指導を賜り、心より厚く御礼申し上げます。




写真:西崎会長


昨年は、年初からCOVID-19が世界中で感染拡大、経済活動や生活に大きな被害をもたらし、まだ終息の目途が立たない状況です。日本でも昨年4月に緊急事態宣言が発令され、誰もが自粛と忍耐を強いられたのは記憶に新しいところですが、国内だけでなく、欧米諸国をはじめ世界の様々な国・地域において、多くの方々が犠牲となり命を落とされていることに対し、あらためて深く追悼の意を表するとともに、このような状況の中、我々の安全と生活を支え続けて下さっている医療従事者等の皆さまに感謝申し上げます。

冷凍・空調業界にとってもCOVID-19の影響はたいへん大きく、昨年は、3月に当工業会主催にて開催を予定していた冷凍空調暖房展示会「HVAC&R JAPAN 2020」を中止したほか、関係する様々なイベントや会議が中止、延期もしくはリモート形式での開催となり、当工業会としても過去に経験のない、非常に活動が制限された1年となりました。

しかし、一方で、冷凍・空調製品は人々が豊かで文化的な生活を送るために欠くことのできない必需品となっており、さらに換気や除菌など感染症対策に有効な手段を提供できる製品の一つとしてその可能性を期待されていることから、今後とも、業界に与えられた課題には常に真摯に向き合い、解決していく責任を担っていることを肝に銘じ、当工業会は、COVID-19との共存を見据えた諸施策に貢献していく所存です。

また「環境問題への適切な対応」も業界が解決すべき最重要課題として捉え、その推進に向け取り組んでまいります。特に地球温暖化対策については、改正オゾン層保護法により、代替フロン冷媒などの市場への供給量が急激に減少することが予想され、これに代わる新しい冷媒として研究・開発が進められている微燃性冷媒や自然冷媒等について、省エネルギー性能や信頼性、安全性などを加味したリスク評価や、規格ガイドラインの制定等を引き続き行ってまいります。またフロン管理のさらなる強化のために昨年施行された改正フロン排出抑制法への対応については、経済産業省 産業構造審議会 フロン類等対策ワーキンググループとの連携を取りながら指定製品化とする対象機種の追加に向け、規格制定や諸法規制対応に注力してまいります。同時にCO2排出抑制の観点からは各種機器のエネルギー効率改善が強く求められており,政府の掲げる「2050年カーボンニュートラル」という高い目標に向け、技術開発やリスクアセスメント等に取り組んでまいります。

これらの環境問題を中心とした諸課題は世界共通の課題でもあり、冷媒開発力や評価手法に対する日本の高い技術力と情報発信への注目度は高く、当工業会ではこれらの取組の成果を通じてグローバル社会にアピールしていくことで、皆さまとともに日本の冷凍・空調業界のプレゼンスを一段と向上させ、業界全体がますます発展していくよう努力してまいります。

最後に、まだCOVID-19への対応について厳しい状況が続きますが、ワクチン開発が順調に進んでいるとの朗報も聞かれるこの年、業界及び皆様の益々のご発展とご健勝を祈念して新年のご挨拶とさせていただきます。


以上

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