海外短信

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No.675 2021年3月

1. パナソニックベトナム 15名の学生に奨学金を授与
 パナソニックベトナムは、パナソニック・リスピア・ベトナムでパナソニック奨学金授賞式2020を開催した。2020年は全国の大学を対象に、フルタイムで勉学している才能ある15人の学生に3,000万ベトナムドン(VND)(約13万8千円)を授与した。奨学金制度を始めて16年になり、この間にベトナムで授与した奨学金の総額は520億ベトナムドン(VND)(約2億4千万円)以上となる。
 パナソニックの奨学金制度は年間プログラムであり、2004年からベトナムの学生を対象に、種々の形態の支援と開発活動をおこなっている。2020年は4月からベトナム全土のすべての大学、学科を対象にスタートした。経済的支援のほかに、パナソニックの奨学金を得た学生は種々の訓練を通じてソフトスキルを伸ばす機会を得る。またパナソニックベトナムのグループ会社でのインターンシップにより先端技術や専門的な作業を学ぶ機会が与えられる。
 この奨学金制度は全ベトナムの学生から高い注目を集めた。奨学金の事務局には全国約30の大学から400人もの学生が応募し、これまでの新記録となった。



写真1:2020年パナソニックベトナムの奨学金授賞式

〔JARN November 25, 2020〕



2.シャープインドネシア 新型コロナウイルスの医療従事者へ慰労金
 シャープ・エレクトロニクス・インドネシアは、新型コロナウイルスにかかわる医療従事者の献身と犠牲に報いるため、消費者を招いて‘医療従事者への感謝’のCSR活動を紹介した。シャープはプログラムの期間中すべての製品について1台販売する毎に5,000インドネシアルピア(約38円)を献金してきており、CSRプログラムを実施したこの2か月半ほどの間に9億8千万ルピア(約735万円)に相当する基金を蓄えた。ヒューマン・イニシアテヒィブ基金と共同して、シャープはこの慰労金をインドネシアのジャカルタ、マカッサル、メダン、スマラン、スラバヤなど7都市の医療従事者に献金することにしている。ヒューマン・イニシアティブの調査によるとこれらの都市の医療従事者は多数の感染者により過酷な労働を強いられている。
 慰労金はシャープ・エレクトロニクス・インドネシアのアンドリー・アディ・ウトモ国家販売上級部長からヒューマン・イニシアティブのトミー・ヘンドラジャティ社長へ7月29日に手渡された。



写真2:シャープインドネシア ヒューマン・イニシアティブに慰労金を手渡す

〔JARN October 25, 2020〕



3.ダイキン ベルギーに先端技術の研究開発拠点を設立
 ダイキンヨーロッパはベルギーのヘントに新しい研究開発拠点を設立する。現在のオステンドの研究開発本部とヘントのブランチは手狭になっていた。EUは気候変動対応のパイオニアであり、特にEUのグリーン・ディール・ポリシーは進んでいる。研究開発拠点は、この地域で従来型に代わる革新的で高効率な暖房方式、新しいヒートポンプ技術、およびコールドチェーンの解決策について研究開発の重要な役割を担う。試験設備のニーズに対応するために2021年後半にはヘント大学のサイエンス・パークに先端技術の開発複合体が建設される。
 新しい研究開発拠点をヘントに設立することにより、ダイキンヨーロッパはヘント大学との連携を増強する。ヘント大学は機械工学分野で名声の高い博士課程を持っており、大学のトップ100に入っている。ヘント大学は将来の技術者の重要な供給源であり、ヘント大学とダイキンヨーロッパは新しい暖房システム、IoT、および人工知能などの分野で協業を強化していく。



図:ダイキンはベルギーのヘントに研究開発拠点を新設する


〔JARN December 25, 2020〕



4.三菱重工サーマルシステムズ オーストラリアで3年連続してベストブランドに認定
 三菱重工エアコンディショナーオーストラリア(MHIAA)は、オーストラリアの代表的な消費者擁護団体CHOICEから2020年エアコンのベストブランドとして再び表彰された。同社がこれを受賞したのは2018年、2019年に続いて3年目。3年連続して受賞したエアコンのブランドは他にない。
 2020年エアコンベストブランドの認証は200台以上の試験評価と3,489人のCHOICE会員による年間の信頼性と満足度の評価結果に基づいておこなわれた。
 CHICEによるとベストブランドの推奨は試験によって明らかな優位性があったものに与えられる。
 MHIAAの伊藤雄司社長は「我々はチームとして高性能、高品質、優れた顧客サービスを約束している。3年連続してCHICEから認定されたのは、販売からアフターサービスまで顧客サービスを約束していることが認められたものと思う」と述べている。


〔JARN November 25, 2020〕



5.ジョンソンコントロールズ日立空調ベトナム 省都ホアビンでのスマートシティ建設に向けて戦略的協業を実施
 ジョンソンコントロールズ日立空調ベトナムは2020年8月7日、ベトナムのホアビン建設グループと戦略的協業の契約を締結した。これにより同社は新たな発展の段階に入ったといえる。
 調印式でジョンソンコントロールズ日立空調ベトナムのグエン・クアン・ヒエン本部長は「ベトナムホアビン省の省都ホアビンの将来構想は新しいスマートな都市の建設だ。スマートな都市建設の基礎の一つは、都市全体に対するセントラル空調システムであり、我々の会社はホアビンの発展に貢献する自信がある」と述べている。この協業により、同社は最もスマートで高効率な、また価格競争力のある空調システムをホアビングループに提供することができる。



写真3:ジョンソンコントロールズ日立空調ベトナムと
ホアビン建設グループが戦略的協業


〔JARN October 25,2020〕



6.東芝キヤリアとCIATの空調システム 英国ホテルで採用

 東芝キヤリアと英国の空調機メーカーCIATの空調システムが、英国南部のブリッジウォータにあるアイビス・ホテルの空調に採用された。東芝キヤリアとCIATによる高効率ヒートリカバリー空調システムにより、ホテルに宿泊した客はとても快適に過ごすことができる。空調システムは大気の熱を利用して効率を上げ、運転経費を下げている。
 バー、レストラン、会議室を備えた144室5階建てのホテルは2021年早くにオープンする。空調は賞を受賞した東芝キヤリアのスーパーヒートリカバリーマルチVRFシステムとなっている。室外ユニットはルーフトップ9台であり、室内ユニットは低騒音隠ぺいタイプとなっている。また2台の熱交換器で排気と給気の間で熱回収する設計になっている。
 CIATの空気熱源ヒートポンプチラーは給湯の予熱に用いられており、ガスボイラーで加熱される前に45℃まで昇温している。ヒートポンプはユーロヴェントの性能認証を得ている。


〔JARN December 25,2020〕



7. 英国政府 2028年まで年間60万台のヒートポンプの設置を目指す
 英国政府は住宅、事務所、学校、および病院をグリーン経済再生の中心に位置付けている。今後15年間にわたって個人が住宅用機器を取り換える時に、低カーボンで効率の良い代替暖房システムを提供することにより、化石燃料ボイラーを廃止していくという明快な道筋を描いている。
 このような背景のもと英国政府は、成長を促進させる市場の枠組みを作ることにより、2028年までに年間60万台のヒートポンプの設置を目指している。この動きを支えるために、特にオフガス配管網に対する規制も行っていく。
 昨年早く首相はこの市場をスタートさせるために10億ポンド(約1450億円)の予算を提供すると表明した。グリーン・ホーム補助金は化石燃料暖房を取り換え、家庭のエネルギー効率を改善するために延長される。公共セクター脱炭素化のための財政支援により学校、病院、および公共施設での炭素排出を減少させる。ホーム・アップグレード補助金は、特に農村地域において脱ガス燃料を促進する。
 政府は高効率エネルギー技術リストをウェブサイトに立ち上げることにより家電製品のエネルギー効率基準を向上する。家主が家を貸し出すときには住宅のエネルギー効率を開示することを義務付け、また改善目標も立てさせる。このためにグリーン・ホーム財政市場を立ち上げることにしている。


〔JARN December 25, 2020〕



8.米国ハネウェル ソルスティスN15(R515B)とzd(R1233zd)のEPA承認を発表
 米国ハネウェルは2020年11月16日、米国環境保護庁(EPA)がソルスティス冷媒の遠心式および容積型のチラー並びに産業空調システムでの使用を承認したと発表した。
 不燃性で低GWP冷媒であるソルスティスN15(R515B)は、遠心式および容積型チラー並びに新規産業プロセス空調システムでの使用が許可され、EPAの重要新規代替品物質政策プログラム(SNAP)に掲載された。またソルスティスzd(R1233zd)についても、主に化学、製薬、石油化学、製造業において、新規およびレトロフィットでの産業プロセス冷凍システムでの使用が許可されSNAPに掲載された。
 「ハネウェルはソルスティス製品の対象範囲を拡大してきた。HFCの代替として低GWP冷媒を提供している。全世界の顧客に対して持続性のあるゴールに到達し、規制を遵守することができるようにしている。N15は最新の製品だ。チラーの製造業者には長期的な解決策となっており、同じチラーの設計でどのような設置要求にも対応できる。ソルスティスzdは機器の改良に用いられ、様々な冷房の用途で性能を向上している」とハネウェルのクリス・ラピエトラ副社長は述べている。


〔JARN December 25, 2020〕



9.ブラジル エネルギー効率基準の改正によりインバータ機の普及へ
 ブラジルで2020年7月1日、空調機の新エネルギー効率基準が国家度量衡・規格・工業品質院(INMETRO)から省令234号として公式に発表された。
 新しい基準ではエアコンの性能評価方法をISO16358(ヒートポンプの期間エネルギー消費効率についての試験と評価方法)に基づいて、EER(エネルギー消費効率)からCSPF(冷房期間エネルギー消費効率)へと変更した。新しい性能評価方法は部分負荷運転時の性能などを反映してより実際の運転性能に近いものとなっている。
 新基準ではエネルギー効率の区分を見直し新たなラベリング制度を導入した。効率の高いエアコンには省エネルギーラベルやエネルギー節約シールが貼付される。
 新基準は2023年1月1日から適用され、基準に達していないエアコンの製造、輸入、および販売は禁止となる。また基準値は表の通り2026年1月1日から引き上げられる。


表:分離型エアコンの新エネルギー効率区分

(準拠:INMETRO)


 ブラジルではエアコンの省エネルギー基準は非インバータ機を対象としたもので、これまで10年間ほど見直しがされなかった。このためインバータ機の性能が正しく評価されず、市場でインバータ機の比率は低かった。新たなエネルギー効率基準とエネルギーラベルにより、消費者は省エネルギー性能を明確に理解することが可能となり、よりよい商品の選択をすることができる。


〔JARN November 25, 2020〕



10.インドネシアとインド エアコンの輸入規制を厳格化
【インドネシア】
 インドネシア商業省は2020年8月28日、履物や自転車などの他に、3馬力以下のルームエアコンについても輸入規制の強化を図った。これまでの規制ではルームエアコンの輸入は輸入ライセンス(API)の保有者と規定され、輸出国での船積み前検査が義務付けられていた。新しい規制では一般輸入ライセンス(API-U)の所有者のみが規制されたエアコンを輸入できることになっている。輸入者は有効な事業基本番号(NIB)と翌年の輸入計画書を添えて、オンライン(INATRADE)で申請し、輸入許可を得なければならない。
 今回の改正の目的は商品の円滑な物流を促進し、ビジネスの確実性を高めることと規程には記されている。しかし商業省が輸入を許可する手続きに時間がかかっており、輸入ルームエアコンの滞留が起こっている。
【インド】
 インド商工省傘下の外国貿易部(DGFT)は2020年10月15日、輸入方針を変更し、冷媒を充てんしたエアコンの輸入を禁止し、即日から実施とした。輸入禁止となったエアコンは分離型、窓型、壁掛け型、天井型、および床置型となっている。
 インドでは量販店で数多くの中国製ルームエアコンが販売されており、売れ筋となっている。今回の改正の目的は、中国からの輸入への依存を減らし、国内製造を活性化しようとするものと考えられている。


〔JARN December 25, 2020〕



11.中国 第14次五ヵ年計画で空気熱源ヒートポンプの普及に補助金を計画
 2020年9月、中国の石炭抑制プロジェクトの分散石炭管理調査グループから分散石炭管理レポート2020が発行された。
 レポートでは2021年から2025年の第14次五ヵ年計画の間にクリーン暖房を促進する考えを述べ、クリーン暖房システムの設置と運転について、中央政府による経済的支援の分析を行っている。同計画期間内に中央政府に対する財政支援の要求額は、246億6千万元から331億9千万元(約4,029億円から約5,422億円)で、内訳は据付に246億6千万元から331億9千万元(約2,885億円から約3,498億円)、運転に246億6千万元から331億9千万元(約1,144億円から約1,924億円)となっている。
 分散型暖房技術の中で、最高の経済効率と用途の広いクリーン暖房技術は、貯湯型電気温水器、空気熱源ヒートポンプ温水機、空気熱源ヒートポンプ暖房ファン、壁掛型ガスボイラー、電気併用太陽熱暖房、バイオマスペレットストーブとなっている。


〔JARN December 25, 2020〕



12.中国 コールドチェーンが新たな発展段階に入る
 中国では過去2年間に生鮮食品のオンライン販売が急伸している。ビッグデータの分析により、顧客の好みに合わせて商品情報が対象となる消費者に届けられるようになり、低コストで効率的な販売が行われている。
 このトレンドに沿って生鮮食品のコールドチェーンも発展してきた。中国の消費者が食品の鮮度や安全性に高い関心を持つようになっており、コールドチェーンの物流も始端から終端までのモニタリング、トレーサビリティ、およびフレキシビリティを強化している。
中国でのコールドチェーン物流産業を取り巻く事業環境も改善されてきている。2020年7月7日、国家発展改革委員会(NRDC)は国家重要コールドチェーン物流基地の一番目の集団となる17か所のリストを公表した。コールドチェーン物流産業において初めての法制化された国家標準が2021年3月11日から施行される。同時に自由貿易ゾーンや港湾システムも強化される。これらの改革がさらにコールドチェーン物流を発展させるものと期待されている。
 中国におけるコールドチェーン物流はインテリジェンス、高度技術、および自動化に向かって急速な発展段階に入ってきている。多くの企業がコールドチェーン物流の無人化にも投資しようとしており、産業が付加価値を高めている。


〔JARN December 25, 2020〕



   過去の記事
 ■2020年11月号(No.673)はこちら
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 ■2020年 3月号(No.668)はこちら
 ■2019年11月号(No.666)はこちら


以上
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