『2050年カーボンニュートラルに向けた業界の取組』西崎会長挨拶

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No.677 2021年6月

2021年6月4日、東京マリオットホテルにおいて、第10回通常総会を開催しました。西崎会長の挨拶を紹介いたします。

■第10回通常総会はこちらから


皆さんこんにちは。第10回通常総会にあたり、一言ご挨拶申し上げます。
まずはじめに、本来であれば、本会には多数の方々にご出席いただくところでございますが、COVID-19の感染防止対策として、出席者を限定させていただいきました。このような状況の中、ご出席いただきました経済産業省の玉井課長様、村上課長補佐様はじめ、関係省庁の方々、並びに関係団体、そして会員企業の皆様に心より厚く御礼申し上げます。


写真1:西崎会長



昨年当工業会の会長を拝命してから、早一年が経ちました。この一年はCOVID-19の世界的な感染拡大を受け、当工業会にとっても今までは全く違う一年となりました。COVID-19については変異株ウィルスの影響も続いており、まだ終息のめどがたっているとはいえません。しかし、日本を含む各国でワクチンの接種が進んでおり、徐々に希望の光が見えてきているのではないかと思います。

このCOVID-19により世界経済は2020年度の前半を中心に大幅に落ち込みましたが、今年に入って一部の国や地域で改善基調が出始めています。また国内経済はリモートワークなど生活環境の変化により、一部の製造業で高操業にとなる一方で、飲食業や観光産業などで厳しい経営状況が続いており、明暗が分かれております。

空調関連機器の出荷状況でも、ルームエアコンの国内出荷は、1千9万7千台と、統計開始以来、はじめて1千万台を超えました。一方でパッケージエアコンは80万8千台と前年比85%にとどまるなど商品カテゴリーによっても差が出ています。

一方、地球環境問題については昨年政府から、2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略が発表され、今年4月には2030年に温室効果ガスを2013年度比46%削減するといった高い目標が打ち出されました。このような状況のもと、当工業会では引き続き環境問題による適切な対応、規格、基準への対応、安全性への取組、規制緩和の促進と、新たな技術への対応など市場テーマを中心に、業界が直面する課題に取り組んでまいります。

特に環境問題への対応については、オゾン層保護法により2019年度から、代替フロンHFCの製造及び輸入の段階的削減が実施されており、今後、従来の冷媒の供給は急激に減少していくため、これに代わる次世代冷媒の開発と継承が急務となっています。

またフロン排出抑制法に関しては、昨年度はビル用マルチエアコンの微燃性冷媒使用時の課題解決に向け、ステークスホルダーの方々と検討を進めた結果、ビル用マルチエアコンの指定製品化が決定いたしました。今後は一体形冷凍冷蔵機器など、さらに指定製品化の対象機器範囲の拡大に取り組んでまいります。また温室効果ガスの排出削減に向けて、微燃性冷媒や、可燃性冷媒の使用を想定した、リスク評価の実施、安全確保のための規格やガイドラインの制定とその周知活動を積極的に行ってまいります。

現時点では、各国で次世代冷媒の候補が数多く提案されています。それらを取捨選択し、普及させるには正しい評価方法の開発と、省エネのための高性能化に向けた技術開発、特に可燃性冷媒は安全確保のためのリスク評価に加え、普及促進に向けた、関連法規の見直しなど、広範囲に亘る検討が必要となります。これらに関して、当工業会は、担当省庁と対応を協議し、検討を進めてまいります。

最後になりましたが、経済産業省を始め、関係省庁の皆様方の引き続きのご指導と会員皆様のご支援ご協力をお願い申し上げると共に、当工業会のますますの発展を祈念し、総会の挨拶とさせていただきます。


以上

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