海外短信

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No.664 2019年7月

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パナソニック システムエアー社と換気・空調の統合システム開発で提携

欧州での更なる事業拡大を目指す

パナソニックは2月26日、業務用および住宅用の暖房、換気、空調、および冷凍までを包括した持続性のあるシステムを開発するために、システムエアー社との戦略的な提携を発表した。システムエアー社は1974年スウェーデンに設立された会社で、換気と空調技術に秀でた世界的な企業。欧州、アメリカ、中東、アジア、およびアフリカなど50か国で事業を行なっている。約70の会社でグループを構成しており、システムエアー、フリコ、ファンテック、およびメナーガなどのブランドで市場に商品を供給している。

パナソニックとシステムエアー社の協業により、両社の既存の技術や知見を生かし、欧州の冷凍空調市場に新たなトレンドを創出していく。提携の第一段階として、パナソニックはシステムエアー社の先進的な空冷式チラー技術を活用して、高効率で環境に優しいヒートポンプチラーの新シリーズを販売する。

パナソニックの常務役員でアプライアンス社エアコンカンパニーの社長である高木俊幸氏は「この提携により、進化する欧州のエアコン市場にて長期的な事業見通しを得ることができる。顧客の高い環境ニーズを満たすため、シナジー創出の素晴らしい機会である」と述べている。




提携を発表するパナソニックの高木俊幸常務役員(左から3人目)と
システムエアー社のジェラルド・エングストロム会長(右から3人目)

〔JARN, March 25, 2019〕



ダイキン インドネシアで森林保全活動に取り組む
“空気をはぐくむ森”プロジェクトを展開

ダイキンはインドネシアで森林保全活動に取り組んでいる。地球環境保全でパイオニア的な役割を果たしている国際NGOコンサベーション・インターナショナルと協働して行っているもの。グヌングデ・パングランゴ国立公園において豊かな森林のエコシステムを再生保全していくことを目的としている。

ダイキンはこの活動を2008年から行っている。荒廃した土地に木を植えるだけでなく、地域にアグロフォレストリーやエコツーリズムなど森林伐採に代わる生活基盤の確立をめざしている。

プロジェクトは約300ヘクタールにおよぶ森林と植物の“グリーン・ウォール”を創生するように設計されている。コミュニティ・メンバー33人と国立公園スタッフ17人により毎月モニタリングされており、2017年11月の調査では植林された12万本のうち、95%にあたる約11万5千本が順調に生育している。


森林保全活動に従事するダイキン・スタッフ

〔JARN, March 25, 2019〕



三菱電機 欧州市場でR32にシフト

「英国におけるRACとPACの市場は、過去2年間にR410Aから低GWPであるR32に劇的にシフトした」英国の三菱電機リビング・エンバイロンメンタル・システムズのプロダクト・マーケティング・マネージャであるマーク・グレイストン氏はこのように述べている。「2019年3月の販売実績によると、R32を使用した機器の割合は80%に達している。1年前の同月はわずか30%であった」

欧州のF-ガス規制により、製造者が英国に輸入できる冷媒の数量は、割当で規制されている。これが、市場を低GWP冷媒へと向かわせるキー・ドライバーになっているとグレイストン氏はいう。R32は微燃性であり、新たな冷媒を使用した機器は取り扱いに課題があるが、市場は低GWP冷媒に向っている。

製造者はR32製品については、冷媒回路を居住スペースの外の室外機だけとし、室内には冷温水回路を使用する冷暖房技術に焦点をあてているとグレイストン氏はいう。「うまく設計して製造者と規制のガイドラインを守れば、容量の大きなR32システムを設計することもできる。これであればほとんどの業務用ビルに据え付けることができる」と同氏は述べている。製造者は室外機を22kWから56kWまでの範囲に拡大する作業をしているという。

コンサルタントや据付業者がA2L冷媒の経験をさらに積むと、英国および欧州の市場に容量の大きな機器がもっと導入されてくる。我々はすでに(1.5kWから14kW)分離型システムの大部分をR32にシフトしていると同氏は述べている。

〔RAC April 2019〕



三菱重工サーマルシステムズ 中国江蘇省の現地企業と合弁会社を設立
施工およびエンジニアリング機能を強化することにより販売を拡大


三菱重工サーマルシステムズは2019年2月20日、中国江蘇省を拠点とする総合建設会社、南通華隆建設工程有限公司と合弁会社(JV)を設立し、営業を開始した。ターボ冷凍機、空調機、およびヒートポンプ給湯器の施工ならびにエンジニアリングを実施する。JVは三菱重工サーマルシステムズの100%出資の子会社である三菱重工空調系統(上海)有限公司(MHIAS)を通じて設立された。三菱重工サーマルシステムズは過半出資としたJVにより、施工およびエンジニアリング機能を強化することによって、中国における販売を拡大することを目的にJVを設立した。

JVの名前は江蘇菱特建設工程有限公司とし、上海近郊の江蘇省海門市を拠点としている。三菱重工サーマルシステムズの製品技術の強みと南通華隆がこれまでに培った施工とエンジニアリング能力を融合して、JVは機器の販売を拡大するだけでなく、施工やエンジニアリングを含めて新たな受注を獲得する体制を構築する。これにより中国市場における三菱重工ブランド製品の販売拡大をサポートする。

〔JARN, April 25, 2019〕



英国の環境貿易協会連合(FETA) 可燃性冷媒を取り扱う際のガイダンスを発行

英国の環境貿易協会連合(FETA)が、作業者の安全を確保するために、種々の可燃性冷媒を取り扱う際の新たなガイダンスを発行した。ガイダンスは「危険物質及び爆発性雰囲気規則(DSEAR)」を遵守するために作成されている。HFOブレンドやR32のように燃焼性は低い冷媒であってもDSEARは遵守する必要があると同連合は述べている。

英国冷凍協会、空調機製造業者団体、およびヒートポンプ協会などで構成されている同連合は次のように述べている。「可燃性のレベルが異なる種々の冷媒が増えていくにつれて、産業界にとってDSEARをどのようにして遵守するかを理解することは重要である。この規則は2015年に圧力ガスも含めるように改正された。その結果、すべての冷凍、空調機およびヒートポンプを施工する時はDSEARを守る必要がある。冷媒などの物質のリスクを評価し、適切な管理と緩和策が求められる」

〔RAC April 2019〕



フランス 2018年のヒートポンプの販売台数は2桁の伸びを記録
ドイツのヒートポンプ販売も好調を持続

■フランス
フランスの2018年のヒートポンプ市場は2桁の伸びを記録した。同国の冷凍空調産業の協会であるUniclimaのデータによると、空気熱源ヒートポンプチラー(ATW)の販売台数は96,576台となり16%の伸びとなった。改築市場の伸びが新築市場の伸びを上回った。住宅用ヒートポンプ給湯機の販売台数は103,879台と前年より17%の伸びとなった。マルチヒートポンプ(ATA)は571,140台とこれまでで最大の販売台数となり24%と大きく伸びた。シングルスプリットの伸びは16%であった。

■ドイツ
ドイツのヒートポンプ協会(BWP)の最新のデータによると、2018年のヒートポンプ販売台数は84,000台であった。またヒートポンプ給湯機の販売が15,000台。これによりヒートポンプの総販売台数は99,000台となった。このうち最大のセグメントは空気熱源ヒートポンプで60,500台。地中熱源のヒートポンプは2%伸びて23,500台であった。

ドイツにおけるヒートポンプ稼働台数は880,000台となった。BWPの役員であるマーティン・セイベル氏によるとドイツにおけるヒートポンプの潜在市場はもっと大きく、もし気候エネルギー目標を達成しようとするならば、さらに大きな販売台数となると話している。

〔JARN, March 25, 2019〕


英国の市場調査組織BSRIAがアトランタの冷凍空調展2018で講演
“エネルギー消費が少なく、環境への負荷も少ないエアコンを開発すべき”

英国を拠点とした市場調査組織 建築設備研究情報協会(BSRIA)が米国アトランタでの冷凍空調展2019で「米国と世界の冷凍空調市場の動向」と題する発表を行った。

BSRIAのゼネラル・マネージャであるラファエル・チャロガニー氏は「米国では住宅の約90%にセントラルか個別のエアコンが付いており、年間家庭で支払う電気料金の平均で18%を占めている。世界の温室効果ガスの排出の12%はエアコンによるものとなっている。もし何らかの対応をしなければこの数値は2050年には3倍になる。グリーンHVACは、ビジネスとして利益になるだけでなく、将来冷凍空調産業が発展していくために責任ある対応が求められている」と話した。

エアコンはエネルギー消費や環境に対する負荷のためにネガティブな見方をされることが多いが、ビジネスマネージャのアネット・メイヤー・ホリー氏はエアコンが熱中症などから命を救っていることを忘れてはならないと強調した。「現在世界で11億人が冷房が無いためにリスクにさらされている。冷凍空調産業がもっとも関心を持つべきことは、エネルギー消費が少なくて、環境への負荷も少ない製品を開発することだ」と述べた。

〔Air Conditioning, Heating and Refrigeration News March 4, 2019〕



ケマーズ R-410Aの代替としてR-454Bの拡販に注力

オプテオンXL41としてケマーズより発売されるR-454Bは、同社にとって今年最も力を入れる商品となっている。最近キャリアがR-410Aの代替冷媒として住宅用およびダクト付き小型の業務用空調機向けにオプテオンXL41を選定した。「キャリアはR-410Aを代替する長期計画を公表した北米で最初の主要な空調機メーカーであり、空調機にとって次の設計が始まったことのシグナルだ」とケマーズの北米フルオロケミカルズのマーケティング・マネージャであるアリソン・スキッド氏は述べている。

「R410Aと物性や性能が類似している冷媒の中でGWPが500を切っているのはXL41だけだ」と他社製品と比較してR-454Bの特長を挙げている。

低GWP冷媒という顧客の要望に対応する為に、ケマーズはテキサス州のコーパスクリスティで3億ドル(約320億円)投資して、世界最大のHFO冷媒の生産工場を建設する。

近い将来可燃性冷媒を取り扱うことになる設備業者や技術者を支援する為に、ケマーズは今春インディアナポリスにトレーニング・テクニカル・サポート・センター(TTSC)を開所する計画である。



アトランタでのAHR展示会でR-410Aの代替を説明する
ケマーズのアリソン・スキッド氏

〔Air Conditioning, Heating and Refrigeration News February 18, 2019〕



米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE)と国連環境計画(UNEP)
低GWP冷媒を見出すためのコンペを実施

米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE)と国連環境計画(UNEP)は、改革を促進するために、低GWP冷媒を見出すコンペティションを実施する。コンペは住宅用と業務用/産業用の2つの区分で行われ、研究所、団体、企業、または特定のプロジェクトから個人またはチームで応募する。賞は国連環境計画のイベントで授与される。ASHRAEの会員であることは要件としない。コンペの応募窓口は広く取っており、低GWP冷媒の使用が重要な要素になっていれば、研究成果でもプロジェクトでもよい。

応募者は環境への影響を証拠として示す必要がある。特に低GWP冷媒による貢献および調査、設計、または実施での経済性が求められている。順位は、需要の大きさ(25%)、改革の程度(25%)、発展途上国での再現性(25%)、発展途上国での財政的負担(25)の4項目を等分に評価して決められる。応募締切は5月15日となっている。

〔RAC, April 2019〕



中国 2018年業務用エアコンの市場規模は1千億元と伸び率は一桁

ルームエアコン市場は昨年後半から低迷が続く

中国の2018年の業務用エアコンの販売実績は、Aircon.comによると1,000億元(約1兆6千億円)となり一桁の伸び率であった。不動産市場の抑制方針により内装市場は低迷したが、エンジニアリング・プロジェクト市場が予想を上回る伸びとなった。特に磁気軸受遠心チラー、空冷スクリューチラー、およびモデュラーチラーなどが強い結果を残した。用途はデータ・センター、医療、輸送などが好調であった。

VRFに次いで2番目に大きなセグメントであるPACは2018年の市場構成比が20%以上となり、前年比15%以上の伸びとなった。小規模エンジニアリング・プロジェクト、レストラン、娯楽施設などが伸びた。主要ブランドがPACの開発に力を入れており、インバータ化、インテリジェント・コントロール、低騒音、空気清浄、薄型化など商品力を強化している。販売チャネルも柔軟なものになっており、オンライン販売とオフライン販売を使い分けている。

ルームエアコンは昨年後半からの低迷が続いており、2019年1月の販売店チャネルでの実績は190万台と前年を11.4%下回り、金額ベースでも74億元(約1,150億円)と前年より10.1%の落ち込みとなった。

〔JARN, March 25, 2019〕


アフリカのエアコン市場 伸び率平均5.5%の予測 世界平均4.9%を上回る
中国、次いで韓国の投資家が注目

英国の建築設備研究情報協会(BSRIA)の詳細な調査によると、アフリカ諸国の空調機の伸び率は、2017-2023年の間に平均5.5%と予測され、これは世界平均の4.9%を上回る。人口の増加、経済成長、安定した政府、新たな建築、都市化、および可処分所得の上昇などが背景にある。アフリカの空調機市場に焦点を当てた初めての調査であり、アフリカの空調機の販売台数は2018年に前年よりも4%増加して280万台であった。最も多く販売されているのはダクトを使用しないシングルのスプリットエアコンで住宅や小形の業務用として使われており、6%と力強い伸び率となっている。VRFが次いで4%と大きな伸び率になっている。

最も高い成長が予測される国は、ガーナ、ケニア、ナイジェリア、およびタンザニアとなっている。一方で課題に直面している国も多く、南アフリカは経済の停滞、エチオピアは外貨不足、タンザニアは経済改革のため輸入を制限している。

不安定な政治体制や課題を抱える経済にもかかわらず、アフリカは投資家の注目を集めており、特に中国の進出が目立つ。中国は中国製の空調機の販売を意図しており、2018年には大きな市場シェアを獲得している。韓国がこれに続いている。

〔RAC, March 2019〕