創立70周年式典 式辞および祝辞

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No.664 2019年7月

2019年6月7日、東京マリオットホテルにおいて、第8回通常総会および70周年式典をを開催しました。70周年式典にあたり、高木会長からの式辞および、経済産業省製造産業局局長 井上氏からの祝辞をご紹介します。また先日、旭日重光章を受章されましたダイキン工業㈱元会長 井上礼之氏を特別ゲストにお招きしましたのでこちらも併せてご紹介いたします。

以下より、各記事にジャンプします。


■70周年式典 会長式辞
■経済産業省製造産業局 局長 井上宏司氏 祝辞
■ダイキン工業㈱ 会長 井上礼之氏 式辞



70周年記念式典 会長式辞


記念式典の開会にあたり、一言、ご挨拶申し上げます。
本日はご多用のところ、当工業会の70周年記念式典に、会員ならびに工業会の諸先輩各位はもとより、関係省庁、関係団体をはじめ多数の皆様方にご出席を賜り、当工業会を代表して、厚く御礼申し上げます。



高木会長




当工業会は、昭和24年に「日本冷凍機製造協会」として、当初、冷凍・冷蔵機器関連の会員21社による任意団体の形で創設されました。その後、空調機器関連会員も加わり、昭和44年に「社団法人 日本冷凍空調工業会」に移行しました。更に平成24年に一般社団法人に移行し、令和元年となった本年、70周年を迎えるに至りました。現在の会員数は、賛助会員を含め168社に、のぼっております。

この70年の歩みの中で、当工業会の製品は、ヒートポンプ技術を核に、家庭から業務用における様々な生活環境の快適空調を実現するとともに、食品の流通・保存に関わる冷凍冷蔵分野、車両エアコン分野、製造プロセス分野など幅広い分野に普及しています。

今では、生活や産業に無くてはならない機器となり、国内出荷金額としては総額2兆円を超える、我が国の基幹産業のひとつにまで、成長してまいりました。

このように業界が成長・発展を成し遂げることができたのは、ひとえにここにお集まりの諸先輩方をはじめ、会員各位の並々ならぬ、ご努力と、関係省庁、関係団体からの、たゆまぬご支援、ご鞭撻のたまものであります。高い席からではございますが、この場をお借りして、改めて敬意を表すと共に、深く感謝申し上げます。

当工業会のこれまでの活動につきましては、この70年間、一貫して時代の要請を、的確に捉えながら、さまざまな、重要課題に取り組んでまいりました。

とりわけ,直近の10年間で言えば,地球規模での環境問題として大きな話題となっている、オゾン層の破壊や、地球温暖化を防止するための取り組みにおいて、微燃性冷媒の使用における、リスクアセスメントの積極的な推進など、安全かつ環境に優しい低GWP冷媒への転換を、関連の皆様と、緊密な連携のもと、強力に推進してまいりました。

加えて、業界のグローバル化が加速する中、会員各位の事業を通しての活動のみならず、当工業会として各種国際会議に積極的に参加し、時には地球環境問題を協議する推進役を担うなど、主体的に活動を展開しております。

我々の活動には国内外で非常に期待が高まっていると確信をしております。当工業会が克服すべき課題は、山積しておりますが、今後も引き続き、当工業会活動を強力に推進し、業界のみならず、我が国産業の発展と国民生活の向上に貢献して参ります。

今回、本式典において表彰を受けられる会員及び職員の皆様におかれましては、これまでの当工業会の発展に大変なご尽力を頂きました。当工業会を代表して、厚く御礼申し上げます。

最後になりましたが、今後、当工業会が明るい未来を築き上げることが出来ますよう、本日ご出席の皆様には、これからもご指導、ご鞭撻を賜りますようお願いすると共に、当工業会及び業界の更なる発展を祈念して、私からの挨拶とさせていただきます。

以上


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経済産業省製造産業局 局長
井上宏司氏 祝辞


一般社団法人日本冷凍空調工業会が創立70周年を迎えられたことを心よりお喜び申し上げます。



経済産業省製造産業局 局長 井上宏司氏



貴工業会は、戦後間もない1949年(昭和24年)に前身となる「日本冷凍機製造協会」として創設され、以来70年の長きにわたり、我が国冷凍空調機器の技術開発の促進や安全性及び品質の向上を図り、我が国経済の繁栄と国民生活の向上に貢献されてまいりました。

今日では、冷凍空調機器は、住環境分野だけでなく、食品分野や物流分野、製造分野など、我々の生活に欠かすことができない技術となり、日本のみならず、世界の社会基盤を支える重要な役割を担っておられます。

昨今、AIやIoT技術の登場により、世界の産業の在り方は大きく変わろうとしており、企業の競争は、モノを売ることのみならずソリューションを提供することへと拡大しつつあります。

そうした中で、経済産業省では、様々な業種、企業、人がデータを介して繋がることによって、新たな付加価値や製品・サービスを創出し、生産性の向上や社会課題の解決を目指す「Connected Industries」を提唱しております。

冷凍空調産業は、幅広い産業や空間につながっており、新たなソリューションや価値の創出につながる大きな可能性を秘めています。今後、冷凍空調機器の進化に加え、Connected Industriesやオープンイノベーションによって、付加価値の高い新たなビジネス・サービスが生み出されていくことを期待しております。

また、2020年3月には、「HVAC&Rには未来の答えがある」をテーマに、HVAC&R JAPAN2020が開催されると伺っております(日冷工主催)。

※HVAC&R JAPAN2020は、「Heating,Ventilating,Air-Conditioning AND Refrigerating EXPO」の略。最先端の省エネ技術や新冷媒技術、BEMSなどのエネルギーマネージメント技術に加えて、IoTなどを活用した最新の環境配慮型製品などを一堂に展示。

本展示会は、昭和31年に、冷凍・冷房に関する普及啓発を目的に企画され、以降、形を変え、その時代、時代の先端技術が展示されてきました。

今回は、従来の内容に加えて、例えば、センシング技術とAIの融合により、数分後の室内温湿度を予測し、最適制御を行う製品の展示などが予定されていると伺っております。本展示会が、個別企業や産業を超えた連携を後押しし、新たなサービス・製品が創出されるきっかけになることを期待しております。

また、冷凍空調産業は、近年新たな環境課題に直面しております。冷凍空調機器で幅広く用いられている代替フロンについて、強い温室効果が問題となり、2016年のモントリオール議定書キガリ改正で国際的な規制の対象となりました。これを受け、日本でも、昨年、オゾン層保護法を改正し、今年1月から製造及び輸入の段階的な削減が始まりました。

また、フロン排出抑制法について、廃棄時におけるフロン類の更なる回収率の向上を目指し、環境省とともに改正法案を今国会に提出し、5月29日に成立し、来年春に施行予定となっております。

こうした、厳しい削減義務や新たな環境規制への対応は、業界にとって大きな挑戦である一方、国際競争力を高め、新たな市場が獲得できるチャンスでもあります。
経済産業省としては、そうした産業界の挑戦を、グリーン冷媒やそれを用いた機器の開発などを通じてしっかりバックアップしてまいります。

昨年は、大阪府北部地震、平成30年7月豪雨、北海道胆振東部地震などと災害が非常に多い年でした。このような中、児童生徒の安全と健康を守るため、文部科学省が平成30年度補正予算措置を講じ、各地方自治体において、空調機器の設置が進められております。業界として、しっかり対応いただいていることに改めて、感謝申し上げます。

経済産業省としても、関係省庁と連携しつつ、公立小中学校向けの空調機器が円滑に設置されるよう対応してまいります。
※公立小中学校向けの空調機器の需要が急増しているため、当初、割り当てた製造及び輸入量では不足する可能性が判明。そのため、公立小中学校に設置された空調機器については、突発的事情とし、代替フロンの追加割当申請が可能に。

本日は、長年にわたり業界の発展に貢献された方々に対して、感謝状が贈呈されると承知しております。また、日本冷凍空調工業会 元会長である井上 礼之氏が先日、旭日重光(きょくじつじゅうこう)章を受章されました。井上会長をはじめ、本日受賞される皆様方のこれまでのご功績を称えますとともに、敬意を表します。この度は、おめでとうございます。

最後になりますが、日本冷凍空調工業会並びに我が国冷凍空調産業の益々のご発展と本日、ご臨席の皆様方のご健勝とご多幸を祈念致しまして、私からの祝辞とさせていただきます。


以上

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ダイキン工業株式会社 元会長
井上礼之氏 式辞


ダイキン工業の井上でございます。
先ずは、日本冷凍空調工業会が創立70周年を迎えられ、このように盛大な記念式典を挙行されますことを心からお慶び申し上げます。


 

ダイキン工業株式会社 会長 井上礼之氏


私が当工業会の会長を務めさせて頂いてから20年が経過しましたが、その間の当工業会の取組みには目覚ましいものがあります。

とりわけパリ協定やキガリ改正により、これまで以上にグローバルなレベルでの環境問題への対応が求められる中、当工業会は関係各位を巻き込み、フロン排出抑制法の改正に向けた法整備への提言や、環境負荷の低い代替冷媒への転換にリーダーシップを発揮されてきました。改めて、ここに深く敬意を表したいと存じます。

さて、ただいまご紹介いただきましたように、このたび令和元年春の叙勲において旭日重光章を拝受いたしましたことは、身に余る光栄であると存じます。

申し上げるまでもなく、この受章は、私個人に対するものではなく、ひとえに当工業会を始めとする関係業界、諸先輩方のご支援の賜物と存じ、厚く御礼申し上げます。併せて、弊社グループの発展に努力を重ねてきた社員にも謝意と敬意を表したいと思います。


先月23日、皇居にて安倍晋三首相から勲章及び勲記を授与賜り、その後、天皇陛下に拝謁させていただき陛下から「これまでの労へのねぎらいと今後の一層の精進を期待する」旨のお言葉を頂戴し、一層身の引き締まる思いがいたしました。

私が受賞の栄に預かった大きな理由の一つが、先程も触れさせていただきましたとおり、今からちょうど20年前、1998年10月から2000年9月まで当工業会の会長を務めさせていただいたことであります。

当時は、既に取り組みを開始していた「オゾン層保護」活動に加え、「地球温暖化」を中心に環境問題への警鐘が鳴り響き、「フロン排出抑制」対策への取り組みや、「省エネ法」の抜本的強化など、冷凍空調業界において環境問題への対応が非常に重要な活動となった時期でありました。また、99年12月には50周年の創立記念式典を、2000年2月には地球環境をテーマにしたHVAC&R(ヒーバック・アール)を創立50周年の記念事業として東京ビッグサイトで盛大に開催できたことも良き思い出であります。

「21世紀は環境の世紀」と言われる中で、環境問題に深くかかわる当工業会の役割は、今後ますます重要になるものと思われます。関係官庁、関係団体のご支援もいただきながら当会が一丸となり、グローバルな環境問題・規制動向など、その時代に求められるテーマや課題に対して適切に対応されながら、ますます発展されることをお祈り申し上げます
少しばかり私見を申し述べますと、これからの企業経営において、環境問題における国際標準化の動きを見据えることが極めて重要だと思います。企業の経済活動がグローバル化し、世界中に様々な製品・サービスが行き渡るなか、製品・サービスの優劣とは別に、国際的な規格でなければ世界市場で通用しない時代であります。

「国際標準を制する者が市場を制する」と言われる今日、企業がグローバル競争を勝ち抜いていくうえで、知財、技術開発とともに国際標準化の動きを見据えた経営の舵取りが求められます。国境を越えたオープン・イノベーションが進むなかで、世界における標準化、規制制定等のルール形成の動きにいち早く能動的に関与していくことが、すこぶる重要だと考えています。

私個人といたしましても、今回の栄誉を励みに、今後も快適な生活と経済発展を支える冷凍空調産業において、引き続き、国のため、社会のために、ささやかながらお役に立てるよう尽力してまいりたいと存じます。

最後に重ねてではございますが、日本冷凍空調工業会創立70周年を心よりお祝い申し上げ、私のご挨拶とさせて頂きます。


以上

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