今、ダムが熱い!八ッ場ダム見学会
【広報委員会取材企画 番外編 part 1】

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No.661 2019年2月

当工業会広報委員会で取材した八ッ場ダム。一時は建設中止になるなど、度々メディアに取り上げられて、ご存知の方も多いと思いますが、「どこにあるの?」という皆様に、思わず訪れてみたくなる周辺の観光地やトリビアの数々を紹介いたします。


ひそかなブーム

番外編と言えば「食」の紹介ですが、ダム繋がりでは一部でブームとなっている「ダムカレー」があります。カレーをダム湖、ごはんをダムの堤体に見立てたカレーで、各地のダムで様々なダムカレーが誕生しています。

八ッ場ダム近辺でも、近くの道の駅やんばふるさと館や浅間酒造観光センターのレストランで食べることができます。

写真1は観光センターのダムカレーですが、ダム湖(カレー)浮かぶ上州豚のとんかつはサクサクの仕上がり。ボリューム満点で食べ応えがありました。ダムを訪れた際には、是非ともダムカレーをご堪能ください。
 

写真1:丸岩ダムカレー

近くに草津温泉

草津温泉と言えば、言わずと知れた日本でもっとも有名な温泉(にっぽんの温泉100選で15年連続日本一)ですが、関越方面からのアクセスでは八ッ場ダムを経由するルートが標準的でダムからは車で30分程度の距離です。

八ッ場ダムは景勝地としても有名な吾妻渓谷のすぐ上流にあり、また、草津温泉にも近いという観光にも最適な立地にあるというから驚きです。

我々、広報委員会の面々も、慣れない工事現場取材の後は草津温泉で一日に疲れを癒やしました。温泉を堪能した翌日の朝は6℃まで下がったのですが、雲一つなく晴れわたり、気持ち良く湯畑付近を散策出来ました。



写真2:言わずと知れた草津の湯畑



また、足元にもご注目。さすが豪雪地帯です。雪の表記とかわいい「ゆもみちゃん」のマンホールがあちこちにありました。雪を捨てるための暗渠になっているそうです。

写真3:ゆもみちゃんマンホール




草津温泉近くで化学実験?

ところで、草津温泉から歩いて10分程度の位置で、川になにやら液体を注いでいる場所があります。一体何をしているのかというと・・・。

草津温泉の湯は強酸性。これが温泉に入ると肌がつるつるになる秘訣なのですが、この強酸性の湯が川に流れ込む吾妻川は昔、「死の川」と呼ばれ、魚が住めない川でした。その川を再生させるため、川にアルカリ性の液体を直接投入(写真4)。




写真4:強酸性の河川を中和中



下流にはダムとして珍しい「河川の中和」という役割を担っている品木ダムがあり、中和による生成物を溜めています。

吾妻川には中和された状態で流れ込むため、今ではアユが泳げるほどきれいな川となっているのです。草津温泉を訪れた際には、是非、八ッ場ダムと共に訪れてみてください。


ちょっと足を延ばせば世界遺産

八ッ場ダムから、近いかと言うとやや遠いかもしれませんが、車で1時間50分ほどの距離に2014年、世界遺産に登録された富岡製糸場があります。和洋技術が随所に詰め込まれた日本の近代建築の代表格の一つです。

100メートルの木骨レンガ造りの置繭所や繰糸所は圧巻です。また、ただ今、保存工事中の西置繭所では、ヘルメットをかぶり、屋根瓦の修復作業を間近で見ることができます(2019年春ごろまで、写真撮影不可)。




写真5:木造トラス構造(繰糸所)



写真6:昭和62年まで稼働していた自動繰糸機



ところで、この富岡製糸場のレンガ(写真7)、ちょっと独特な積み方をしていると思いませんか?レンガの大きさが2種類あるように見えます。一般的にフランス積と呼ばれ、長手側と小口側が交互に見えるように積み重ねており、一番美しいとされている積み方です。

他にもイギリス、ドイツ、オランダなどそれぞれ特長ある積み方がありますが、ここでは割愛します。レンガを見かけたら、積み方に注目して見るのも楽しいかもしれません。




写真7:フランス積み



最後に

番外編で紹介した富岡製糸場、草津温泉はある工場見学と合わせて、女性向けツアーの定番になっているようです。番外編その2ではその工場を紹介します。お楽しみに。


鷺宮製作所 渡延
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